平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問81−100 解答編




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ITパスポート

(エントリ試験)

解答と解説のページです。

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問81 シンクライアントの特徴として、適切なものはどれか。
端末内にデータが残らないので、情報漏えい対策として注目されている。
データが複数のディスクに分散配置されるので、可用性が高い。
ネットワーク上で、複数のサービスを利用する際に、最初に1回だけ認証を受ければすべてのサービスを利用できるので、利便性が高い。
パスワードに加えて指紋や虹彩による認証を行うので機密性が高い。
解答
解説 シン(tnin)とは、細い・薄いという意味で、クライアントに最小限の設備しか装備させず、ほとんどをサーバで行う処理形態をいいます。HDDもない場合もあり情報漏えいに強いという特性があります。選択肢ウ、エのように認証に関する制限は特にありません。選択肢ウはシングルサインオンの特徴といえます。

問82 a,b,c,d,e,fの6文字すべてを任意の順で一列に並べたとき、aとbが両端になる場面は、何通りか。
24
30
48
360
解答
解説 並び方は、a,○,△,□,×,fとf,○,△,□,×,aの2種類があります。○は4中から1つ、△は残りの3つの中から1つ、□は残りの2つの中から1つ、×は、□が決まると1種類しかありません。よって、2種類×4つ×3つ×2つ×1つ=48種類の組み合わせがあります。

問83 片面1層記録のDVD−Rは約4.7Gバイトの記憶容量をもつ。1ページ当たり日本語700文字が印刷されている本の場合、約何万ページ分をこのDVD−Rに保存できるか。ここで、日本語1文字を表現するのに2バイトが必要であるとし、文字情報だけを記憶するものとする。また、1Gバイトは10億バイトとする。
42
71
336
671
解答
解説 1ページ当たりの容量は700文字×2バイト=1,400バイトです。4.7G=4700,000,000バイトです。今何万ページ保存できるかを利かれているので、1万ページ=14,000,000バイトです。よって、4700Mバイト/14Mバイト=335.7となります。

なお、1ページ当たりの容量は平均値なので、335.7を四捨五入しても差し支えないと思われます。(厳密値で計算している場合は、端数切捨てをします)

問84 関係データベースで管理している“商品”表及び“売上”表を結合して商品の売上集計を行う。5月の売上合計金額が最も大きい商品はどれか。

画像(問84)を表示できません
商品A
商品B
商品C
商品D
解答
解説 商品に対応する価格と数量から売り上げを計算し、それらを足していきます。(なお、5月以外の売り上げも表中にあり、すべて足すわけではないので気をつけてください)

商品A⇒:売上番号Z0002、Z0004、Z0006⇒2000×(1+3+2)=12,000円
商品B⇒:売上番号Z0005、Z0007⇒4000×(3+1)=16,000円
商品C⇒:売上番号Z0003⇒7000×2=14,000円
商品D⇒:該当なし⇒0円

よって、4つの商品のうち、商品Bが5月で最大の売り上げとなった商品です。

問85 図を画素で表す手法を考える。図1の場合、3×3個の画素を左上から1行ずつ右方向へ1画素ずつ読み取り、黒ならB、白ならWと書くと“BWBBBBBWB”(9文字)となる。次に、BやWがn文字連続する場合を“Bn”、“Wn”と表す(nは2以上の整数)と、図1は“BWB5WB”(6文字)と表現でき、圧縮率を6/9=66.7%であると定義する。図2の5×5の図形について同じ手法で表現すると、圧縮率は何%か。

画像(問85)を表示できません
48.0
52.0
76.0
88.0
解答
解説 まず、データをBとWで表記すると、“BBBBBBHHHHBBBBHBHHHHBHHHH”となり25文字です。次に、圧縮したデータは“B6H4B4HBH4BH4”となり13文字です。よって、圧縮率は13/25×100=52%となります。

問86 システムの性能を評価する指標と方法に関する次の記述中のa〜cに入れる字句の適切な組合せはどれか。

利用者が処理依頼を行ってから結果の出力が終了するまでの時間を[ a ]タイム、単位時間当たりに処理される仕事の量を[ b ]という。また、システムの使用目的に合致した標準的なプログラムを実行してシステムの性能を評価する方法を[ c ]という。

画像(問86ans)を表示できません
解答
解説 4つの用語を以下にまとめます。

スループット:単位時間当たりの仕事の処理量
ターンアラウンドタイム:要求開始から結果の表示までの時間
ベンチマーク:標準的なプログラムを実行してそれにかかった時間で、性能を相対的評価する。代表的なテストとしては、SPECint(整数)やSPECfp(浮動小数点)などがあります。
シミュレーション:コンピュータ上で、物理現象などを再現・模擬すること

問87 “部署”表、“都道府県”表、及び“社員”表を結合して、A表を作成した。結合した“社員”表はどれか。ここで、下線は主キーを示し、破線は外部キーを示す。

画像(問87)を表示できません
画像(問87ans)を表示できません
解答
解説 まず、社員表はAのレコードに不足している社員名と年齢を含むことが絶対条件です。しかし、これだけでは2つの表と結合することができません。そこで、部署コードと都道府県コードを外部キーとすることで、社員表.部署コード=部署表.部署コードのように指定し、表の結合が可能となります。

問88 9けたの数字に対して、次のルールでチェックディジットを最後尾に付けることにした。チェックディジットを付加した10けたの数字として、正しいものはどれか。

ルール1:各けたの数字を合計する。
ルール2:ルール1で得られた数が2けたになった場合には、得られた数の各けたの数字を合計する。この操作を、得られた数が1けたになるまで繰り返す。
ルール3:最終的に得られた1けたの数をチェックディジットとする。
1234567890
4444444444
5544332211
6655333331
解答
解説 選択肢のそれぞれの値を計算していきます。(最後の値はチェックディジットなので計算には含めません)

選択肢ア:1+2+3+4+5+6+7+8+9=45⇒4+5=9,チェックディジットは0なので正しくない。
選択肢イ:4+4+4+4+4+4+4+4+4=36⇒3+6=9,チェックディジットは4なので正しくない。
選択肢ウ:5+5+4+4+3+3+2+2+1=29⇒2+9=11、1+1で2,チェックディジットは1なので正しくない。
選択肢エ:6+6+5+5+3+3+3+3+3=37⇒3+7=10、1+0で1,チェックディジットも1なので正しい。

中間A ソフトウェアのテストに関する次の記述を読んで、問89〜92に答えよ。

Mさんは、総務課のNさんから宅配荷物の発送業務で利用する料金計算プログラム(以下、プログラムという)の作成を依頼された。そこで、Nさんから聞いた料金計算の方法を基に次のように要件をまとめ、プログラムを作成した。

(1) 料金はサイズ区分と発送先の地域から表1の料金表で求める。サイズ区分は荷物の3辺計(荷物の縦、横、高さの合計で1cm単位)と重量(1kg単位)を比較し、どちらか大きいほうの区分を適用する。なお、3辺計が140cm又は重量が20kgを超える荷物は受け付けない。
(2) 荷物の3辺計と重量、発送先の地区(A〜D)を入力すると、料金を出力する。

画像(問A)を表示できません

Mさんは、プログラムをNさんに引き渡す前にテストを行うことにした。

テストに当たり、表2の出力結果表を作成し、これに基づいてテストデータを準備した。表2は、入力データが各列に示すYesの組合せに該当する値であるときの正しい出力を、欄“予想出力”に記入したものである。

画像(問A_2)を表示できません

問89 Mさんがプログラムのテストに使うデータを準備するために表2の出力結果表を作成した理由として、適切なものはどれか。
処理の間違いが起こりそうなケースを洗い出して、そのケースのテストデータを準備し、プログラムの信頼性のテストを行うため。
プログラムに記述されている命令の実行順序を追跡するためのテストデータを準備し、設計どおりの順序で命令が実行されるかどうかをテストするため。
要件から考えられるケースの中から、発生頻度の高そうなケースを選んでテストデータを準備し、少ないテストデータで効率的にテストを行うため。
要件から考えられるケースを網羅するテストデータを準備し、すべてのケースを漏れなくテストするため。
解答
解説 条件などに基づいたホワイトボックステストを行う場合、すべてのパターンを網羅する(あるいはすべての処理を網羅する)ようにテストを作成する必要があります。表2は、これらのテストを作成するのに役立つと考えられます。(A〜Dの中から1つ(4種類)、3辺計(3種類)、重量(3種類)。つまり4×3×3=36通りを調べていることがわかります。)

問90 表2の出力結果表aに入る予想出力はどれか。
1,300
1,600
2,000
3,400
解答
解説 表2における3番目のテストは、A地区で、3辺計が80cmまでで重量が20kgまでの宅配荷物についてです。3辺計は区分1、重量は区分3なので大きいほうである区分3が適応されます。つまり、区分3でA地区への配送となるので、2000円になります。

問91 次の表は、テストデータ(地区、3辺計、重量)を用いて実際にテストを行った結果の一部である。この結果の判断として、適切なものはどれか。

画像(問91)を表示できません
3辺計が60cmで重量が5kgのときの出力結果に誤りがある。
サイズ区分が区分3のときの出力結果に誤りがある。
出力結果に誤りはない。
地区Cに出力結果だけに誤りがある。
解答
解説 1つずつ確認していきます。「まで」というのは「以下」と同じ意味で5までというのは5を含む点に注意してください。

地区C、3辺計60、重量5⇒区分1と区分1のため、区分1を採用。地区Cで区分1なので、1,150円
地区C、3辺計101、重量8⇒区分3と区分2のため、区分3を採用。地区Cで区分3なので、1,800円
地区D、3辺計60、重量5⇒区分1と区分1のため、区分1を採用。地区Dで区分1なので、1,800円
地区D、3辺計101、重量8⇒区分3と区分2のため、区分3を採用。地区Dで区分3なので、3,400円

以上のことから、上から誤り、正しい、誤り、正しいとなり、選択肢に合致するのは、選択肢アが正解となります。

問92 表2の出力結果表のb,cで示すそれぞれの列のテストデータ(地区、3辺計、重量)の組合せとして、適切なものはどれか。
画像(問92ans)を表示できません
解答
解説 片方ずつ考えていきます。先に補足をしておきますが、「10まで」というのは、「5まで」に該当しなかったということで、6以上10までという意味です。一つ前の区分より大きいことが前提になっていることに注意が必要です。

b:地区A、3辺計100まで、重量10まで⇒地区Aで3辺計81以上100まで、重量6以上10まで
b:地区A、3辺計100まで、重量20まで⇒地区Aで3辺計81以上100まで、重量11以上20まで

この条件に相当するのは、選択肢イだけになります。

中間B 施設の入室管理に関する次の記述を読んで、問93〜96に答えよ。

S社のT営業所では、IDカードによる入室管理システムを導入することになった。T営業所の施設の種類と管理対象者の区分(以下、対象区分という)を表のように分類し、入室許可の有無の区分(以下、許可区分という)の設定を行う。ここで、表は施設に対して入室を許可する区分を“○”、入室を許可しない対象区分を“×”で示す。

画像(問B)を表示できません

施設と対象区分に対する許可区分の設定は、入室管理システムの管理用PCから、次の設定の形式のとおりに入力する。

画像(問B_2)を表示できません
(1) 設定は、形式1を1行目に記述し、形式2を2行目以降に必要な行数だけ記述する。
(2) 許可区分には、入室を許可する場合は“ACCEPT”、入室を許可しない場合は“DENY”を記述する。
(3) 形式1は、ポリシを記述するための形式であり、最初の項目には“ポリシ”と記述する。ポリシの記述とは、2行目以降に記述する行のいずれにも該当しない施設と対象区分の組合せに対して、適用する許可区分を指定するものである。
(4) 形式2には、施設と対象区分の組合せとそれに対する許可区分を記述する。施設に対して許可区分が同じ対象区分については、コンマで区切って複数記述できる。
(5) 入室が許可されるかどうかは、2行目以降で記述した行の順に評価される。指定した施設と対象区分の組合せの行が見つかれば、その行の許可区分を適用し、それ以降の行の評価は行わない。

問93 表の許可区分の設定について、ポリシの許可区分をACCEPTにしたときの設定の記述は次の図になる。表の設定について、ポリシの許可区分をDENYにしたときの設定の記述はどれか。

画像(問93)を表示できません
画像(問93ans)を表示できません
解答
解説 今対象としているのは2区分、2施設で4つです。ポリシをACCEPTにした場合はこの4つが○になり、形式2をつかって来訪者が執務室を利用するのを拒否しています。

つぎに、ポリシをDENYにした場合は、4つが×になり、形式2を使って残り3つの利用を認めていきます。
まず、営業課員が執務室を利用するのを認めます。その後、来客者と営業課員が応接室を利用するのをまとめて記述します。

これを、実現しているのは選択肢エとなります。

問94 次の表に示す許可区分の設定について、ポリシの許可区分をDENYにしたときの設定の記述は、形式1を記述する行も含めて最低何行必要か。

画像(問94)を表示できません
解答
解説 最低限ということは、まとめられる部分は最大限まとめて記述するということです。まとめられるのは同じ部屋に対して、別の対象区分を設定する場合です。

まず、問題文にある通り、ポリシー区分をDENYにします。(1行目)
つぎに、会議室に対して営業課員と技術課員をまとめて許可します。(2行目)
そして、執務室1に対して営業課員の許可を設定し、執務室2に対して技術課員の許可を設定します。(3行目、4行目)
最後に、応接室対して、来客者・営業課員・技術課員をまとめて許可の設定をします。(5行目)

ポリシーDENY 
会議室 ACCEPT営業課員,技術課員
執務室1ACCEPT営業課員
執務室2ACCEPT技術課員
応接室 ACCEPT来客者,営業課員,技術課員

問95 次の表に示す許可区分の設定について、ポリシの許可区分をACCEPTにしたときの設定の記述は図1である。新たに、課長に対して特別会議室の入室を許可することになり、“課長”という対象区分を設け、図2の設定の記述を追加することにした。図1に、図2の設定を追加する位置として、適切な位置は@〜Cのどれか。

なお、“課長”の対象区分には営業課長と技術課長が属しており、それぞれの課長はそれぞれの所属課員の対象区分にも属している。管理対象者が二つの対象区分に属する場合、設定の記述の評価において、施設と一方の対象区分との組合せと合致する行が見つかれば、その行の許可区分が適用される。

画像(問95)を表示できません
@
A
B
C
解答
解説 評価の順番については、以下の2つが重要になります。

「入室が許可されるかどうかは、2行目以降で記述した行の順に評価される。指定した施設と対象区分の組合せの行が見つかれば、その行の許可区分を適用し、それ以降の行の評価は行わない。」
「管理対象者が二つの対象区分に属する場合、設定の記述の評価において、施設と一方の対象区分との組合せと合致する行が見つかれば、その行の許可区分が適用される。」

つまり、一番最初に自分が属するいずれかの対象区分に適応される行が実行されるということになります。もう少しわかりやすくまとめると以下のようになります。

@2行目から順に下に向かって調べる。
A一番最初に見つかった、自分が属している対象区分を調べる。

これを踏まえて、考えると技術課長は課長と技術課員に属しており、営業課長は課長と営業課員に属しています。
そこで、「特別会議室 DENY 来客者,技術課員,営業課員」の行が評価されるとDENYになってしまいます。なので、この行より先に課長が特別会議室を使用できるように設定する必要があります。つまり、選択肢アの位置(一番最初)に挿入する必要があります。

問96 新たに施設や対象区分を追加する際に、形式2による設定に漏れがあった場合、防犯の観点に立ったときの形式1の許可区分の設定方法として、適切なものはどれか。
設定に漏れがあった場合、入室できないようにACCEPTに設定する。
設定に漏れがあった場合、入室できないようにDENYに設定する。
設定に漏れがあった場合でも入室できるようにACCEPTに設定する。
設定に漏れがあった場合でも入室できるようにDENYに設定する。
解答
解説 設定ミスで発生する事態は以下の2つです。

1.入室許可がないにもかかわらず入室できてしまう。
2.入室許可があるにもかかわらず入室できない。

防犯上のことを考えると「2」よりも「1」のほうが好ましくありません。これは不審者の侵入を許してしまうということと同じだからです。
そこで、万が一設定にミスがあった場合に入室ができないようにデフォルトとしてポリシにはDENYを設定しておくべきです。

なお、ファイアウォールをはじめとするシステムでは、このようにデフォルトでアクセスを禁止して必要なアクセスを許可していくのが一般的です。
このように、デフォルトで禁止し必要な分を許可していく方式をホワイトリスト方式。デフォルトで許可をし必要な分を禁止していく方式をブラックリスト方式といいます。

中間C 作業計画に関する次の記述を読んで、問97〜100に答えよ

E社の情報システム部では、新しい販売管理システム(以下、新販売管理システムという)の導入を計画している。情報システム部の新入社員Fさんは、既存の販売管理システムから新販売管理システムへの切替作業について、先輩の指導の下に作業時間の見積りを行うことになった。作業計画の一覧は、次の表に示すとおりである。

画像(問C)を表示できません

問97 Fさんは、全体の作業時間を求めるために表の内容を整理することにした。Fさんは、一連の作業の中で並行して実施可能な作業を抜き出した。並行して実施可能な作業の組合せをすべて挙げているものはどれか。ここで、括弧内は並行して実施可能な作業を示している。
(A、B)
(A、B)と(C、D、E)
(A、B)と(D、E、F)
(D、E、F)
解答
解説 まず、表からアローダイアグラム(PERT図)を作成します。今回は並行作業がわかりやすいように記述します。なお点線はダミーの線で同期をとるためのものです。作業時間0の実線だと考えてかまいません。

画像(97a)を表示できません

この図からわかるとおり、AとB及びDとEとFがそれぞれ並行作業可能であるといえます。

問98 Fさんは全体の作業を考える上で、表の各作業の順序と時間を検討した。このとき、クリティカルパス上の作業の順序を示しているものはどれか。ここで、矢印は作業の順序を示している。
@ → A → C → D → G
@ → A → C → E → G
@ → B → C → E → G
@ → B → C → F → G
解答
解説 先ほどの図に最早開始時刻を追加してみます。

画像(98a)を表示できません

クリティカルパスとは、時間に余裕のない作業のことで、クリティカルパス上の作業の遅れがプロジェクト全体の遅れに直結する作業のことです。
上の図から、「@ → A → C → E → G」が最も時間に余裕のない(遅れの許されない)作業であることがわかります。

問99 Fさんは表の作業全体が最も早く終了する時間を求めた。その時間は何時間か。
10
10.5
11
11.5
解答
解説 上の図を再表示します。

画像(99a)を表示できません

クリティカルパスの作業は遅れが許されない=プロジェクトにかかる時間となるので、クリティカルパス上の時間がそのまま作業全体の最も早い開始時間となります。つまり、クリティカルパス上の時間を足していけばそのままプロジェクトが終了する時間がわかります。上の図から自明ですが、「0.5 + 2 + 3 + 3 + 2 = 10.5」となります。

問100 Fさんが全体の作業時間を求めたところ、当初想定していた時間より長くなったので、時間を短縮することを検討するように先輩から指示された。表に示される全体の作業時間を最も短縮できる方策はどれか。なお、並行して実施可能な作業はすべて並行して実施するものとする。
作業Aを1.5時間短縮する。
作業Cを1.5時間短縮する。
作業Dを1.5時間短縮する。
作業Eを1.5時間短縮する。
解答
解説 ひとつずつ図を書いて見ます。

選択肢ア
画像(100a_a)を表示できません

選択肢イ
画像(100a_i)を表示できません

選択肢ウ
画像(100a_u)を表示できません

選択肢エ
画像(100a_e)を表示できません

以上の図から選択肢イが最も全体の作業を短縮できるといえます。

なお、図を書かなくても求めることができます。その際のポイントをまとめます。
1.短縮する作業はクリティカルパス上であること。
2.クリティカルパス上の作業を短縮した際は、クリティカルパスが変更される可能性に注意すること。(特に並列部分)
3.直列部分(必ずクリティカルパス上になる)を短縮する際は、確実に全体の時間を短縮できる。

今回は、3に相当するのがCとGです。選択肢イはCを1.5時間短縮したので、10.5−1.5=9と短縮した効果が完全に反映されています。