平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問81−100 解答編




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ITパスポート

(エントリ試験)

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問81 無線LANのセキュリティにおいて、アクセスポイントが接続要求を受け取ったときに、端末固有の情報を基にアクセス制御を行う仕組みはどれか。
ESSID
MACアドレスフィルタリング
WEP
WPA
解答
解説 MACアドレスとは、NIC(ネットワークインタフェースカード)に割り当てられる固有の番号です。これを事前に登録しておくことで、登録のないものからの通信を完全に遮断することができます。しかし、アクセスポイントが複数あったり、登録する台数が膨大だったりすると、管理が困難となります。

他の用語を以下にまとめます。
ESSID(Extended Service Set Identifier):混信を避けるためにつけられるネットワーク識別子のことで、SSIDというアクセスポイントの識別子を拡張したものです。
WEP(Wired Equivalent Privacy):無線の暗号化技術の1つ。脆弱性が見つかりWPAへの移行が推奨されている。
WPA(Wi-Fi Protected Access):無線の暗号化技術の1つ。TKIPというプロトコルを用いて、WEPの脆弱性を解決している。

問82 PCに接続された周辺機器を、アプリケーションプログラムから利用するために必要なものはどれか。
コンパイラ
デバイスドライバ
プラグアンドプレイ
ホットプラグ
解答
解説 それぞれの用語を以下にまとめます。
コンパイラ:プログラムのソースコードを実行可能な形式に変換するプログラム
デバイスドライバ:周辺機器を制御するためのプログラム
プラグアンドプレイ:周辺機器を接続した際に、必要な設定を行い即座に利用できるようにするOSの機能
ホットプラグ:周辺機器を電源を入れたまま接続して、認識/利用ができる機能

問83 ボットへの感染防止の対策として、適切でないものはどれか。
ウイルス対策ソフトを導入する。
ハードディスクを暗号化する。
不審なWebサイトの閲覧を控える。
見知らぬ差出人からの電子メールの添付ファイルは容易に開かない。
解答
解説 ボットとは、ネットワークを介して、他人のPCを自由に操ったり、パスワードなど重要な情報を盗んだりするプログラムです。ウイルスの一種なので、ウィルスソフトでの対策や信頼できないサイトやメールを利用しないことで予防につながるといえます。

問84 PLCアダプタの役割として、適切なものはどれか。
PCやアナログ電話など、そのままでは、ISDN回線に接続できない通信機器をISDN回線に接続するための信号変換を行う。
Webサイトやファイアウォールなどへ接続するときに、ホスト名とIPアドレスの変換を行う。
アナログ電話回線を使用して高速通信を行うときに、電話で使われていない周波数帯を利用して通信用信号の送受信を行う。
屋内の電力配線を使ってLANを構築するときに、電力と通信用信号の重ね合わせや分離を行う。
解答
解説 PLC(Power Line Communications:電力線搬送通信)は、電力線を信号線として活用する技術をいいます。電力線をそのまま通信インフラに利用でき、インターネットへの接続も可能です。通信速度としては数Mbps〜数百Mbps程度です。PLCアダプタはPLCにおいて、電力と通信情報の重ね合わせと分離を行います。

他の選択肢は以下のとおりです。
選択肢ア:TA(Terminal Adapter)の説明です。
選択肢イ:DNS(Domain Name System)の説明です。
選択肢ウ:ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)の説明です。

中間A 商品開発プロジェクトに関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

N社は、携帯情報端末用アプリケーションソフトウェア(以下、携帯アプリという)の商品開発プロジェクトを、4月1日に社外秘で立ち上げた。携帯アプリの商品開発プロジェクトは、マーケティングを自社で、ソフトウェアかいはつを外部調達で行う。

〔7月1日までのプロジェクトの経緯〕
(1) N社の体制:4月のプロジェクト立ち上げ時の構成員は、プロジェクトマネージャ1名とプロジェクトメンバ3名であったが、6月からはAさんが参加し総勢5名になった。
(2) ソフトウェア開発:B社及びC社と守秘義務契約を締結後、この2社に見積書を提出してもらい、6月中旬にB社と請負契約を締結した。
(3) プロジェクト期間短縮:プロジェクト期間は当初7か月の計画で開始したが、競合他社が類似商品を開発する動きがあることから、6月下旬に全体で1か月プロジェクト期間を短縮することを検討し実践した。前提条件は、次の2項目とした。
・商品仕様と請負業務範囲は変更しない。
・商品発表は、当初ソフトウェア開発の完了時に行うこととしていたが、ソフトウェア開発完了の0.5か月前に前倒しする。

〔契約変更と工程管理〕
プロジェクト期間短縮をB社と協議したところ、次の回答があった。
“ソフトウェア開発工程の作業に要員を追加すれば、作業の完成を早めることが可能である。要員追加に伴い一時生産性が低下し、開発工数が増加するので、そのコスト増分が認められれば対応する。バグ増加などのリスクは少ない。”
N社とB社は、この内容で合意し、ウ系契約の変更契約も6月末に締結した。

図1はプロジェクト期間を1か月短縮した変更計画を含むガントチャートである。N社は、7月1日からこのガントチャートの変更計画に従って工程管理を開始した。

画像(問A)を表示できません

問85 N社内のプロジェクトは、構成員全員が相互にコミュニケーションをとりながら進めており、構成員がそれぞれ1対1で情報の伝達を行う必要がある。この1対1で情報の伝達を行う経路のことを、コミュニケーションチャネルという。Aさんが参加する前のコミュニケーションチャネルの総数は6であった。Aさんが参加した6月以降の、コミュニケーションチャネルの総数として、正しいものはどれか。
7
9
10
15
解答
解説 まず、現在のコミュニケーションチャンネルの数を考えます。3人のメンバをw、x、y、zとすると、以下のようになります。
「w−x、w−y、w−z、x−y、x−z、y−z」→6本

ここに、aさんが加わるためaさんと各メンバのコミュニケーションチャンネルが追加されます。
「a−w,a−x、a−y、a−z]→4本

よって、6本+4本=10本となります。

なお、数学的には、5人から2人を選ぶ組合せとなるので、5C2=(5×4)/(2×1)=10となります。

問86 N社が、見積り依頼先のB社及びC社と守秘義務契約を締結した理由として、適切なものはどれか。
N社と契約した業務を、外部調達先を再委託することを禁止するため
外部委託先の従業員に、N社プロジェクトメンバからの指揮命令を確実に守らせるため
ソフトウェアに関するN社の著作権を守るため
見積書作成のためにB社、C社に与える情報が、いずれかを通じて外部に漏れるのを防ぐため
解答
解説 守秘義務契約(Non-disclosure agreement:NDA)とは、業務上の秘密事項を外部に漏らさないことを契約するものです。問題文には、「商品開発プロジェクトを社外秘で立ち上げた」とありますので、外部に情報が流出させたくない意図がうかがえますので、選択肢エが正解となります。

問87 N社とB社は、ソフトウェア開発の開発短縮を実現するために、締結している契約内容の変更に合意し、6月末に請負契約の変更契約を締結した。このとき、最初の請負契約から変更になた項目の組合せはどれか。

@ 契約金額
A 商品仕様
B 納期
C 納入物
@とA
@とB
AとC
BとC
解答
解説 各項目を順番に見ていきます。
契約金額:「コスト増分が認められれば対応する」という記述から契約金額が増額されています。
商品仕様:「商品仕様と請負業務範囲は変更しない」という記述から変更はありません。
納期:「1か月プロジェクト期間を短縮すること」という記述から納期が1か月短縮されています。
納入物:「商品仕様と請負業務範囲は変更しない」という記述から変更はありません。

問88 N社は、7月1日から図1のガントチャートの変更計画に従って工程管理を開始した。この変更計画で、プロジェクト期間を全体で1か月短縮することを可能にする対策の説明として、適切なものはどれか。
B社のソフトウェア開発作業を0.5か月短縮し、受入試験・検収を0.5か月早める。
B社のソフトウェア開発作業を0.5か月短縮し、受入試験・検収を0.5か月早める。かつ、流通計画・プロモーション業務の開始を前倒し、B社のソフトウェア開発作業と0.5か月並行作業を行う。
B社のソフトウェア開発作業を1か月短縮する。
流通計画・プロモーション業務の開始を前倒し、B社のソフトウェア開発作業と1か月並行して作業を行う。
解答
解説 まず、外部調達管理という部分がB社のソフトウェア開発作業に相当します。

つぎに、変更点をまとめます。
流通計画・プロモーションが1か月早く開始されます。期間の短縮はありません。
外部調達管理が0.5か月短縮されます。
受入試験・検出が0.5か月早く開始されます。期間の短縮はありません。

上記3つが記述されている選択肢イが正解となります。

中間B 事務担当者の業務改善に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

ワイン販売業のA社は、営業担当者による法人顧客への販売と直営店による個人顧客への販売を行っている。顧客の幅広いニーズに対応し売上げを拡大するために、A社は、新しい販売チャネルとしてインターネットによる販売(以下、Web販売という)を3か月前に開始した。

Web販売の開始以降、営業推進課の事務担当者(以下、事務担当者という)の残業が増えており、業務改善が必要な状況になっている。営業企画課の入社2年目のMさんは、業務改善のための企画書をまとめるように上司から指示を受けた。Mさんは、原因調査のために事務担当者にインタビューを行った。また、このインタビュー後に関係者へ追加インタビューも行った。

〔業務改善の企画書作成に関する上司からの指示〕
(1) 原因調査は、事実を中心に調査し、論理的に整理する。
(2) 改善策は、適切な観点に従って複数案作成する。
(3) 改善策は、“効果の大きさ”、“費用の小ささ”、“実行のしやすさ”の三つの観点から評価し、各観点の評価点に重みを掛けて合計した総和で総合評価する。
評価の重み付けは、効果を重視し次のとおりとする。
効果の大きさ:費用の小ささ:実行のしやすさ=4:2:1

〔事務担当者へのインタビュー結果メモ〕
(1) Web販売に関する顧客のクレームが平均5件/日発生している。顧客のクレーム窓口を担当している事務担当者が、毎日残業してクレームに対応している。Web販売前は、顧客のクレームも事務担当者の残業もなかった。
(2) 顧客のクレームは、注文した商品と違うという誤発注が全件数の80%を占めている。残り20%は、指定日時に商品が届かないという納期遅れや商品破損など多様である。

〔関係者への追加インタビュー結果メモ〕
Web販売では、商品紹介のページで商品ごとに数枚の商品を掲載している。クレームが発生した商品では掲載されている商品の一部が違っていて、注文した商品と違うという誤発注の原因となっていた。営業企画課の商品担当者が写真と説明文を登録し、登録の都度目視でチェックしているが、ワインは商品名が非常に複雑なので、掲載する写真を間違えやすい。

問89 Mさんが担当することになった“事務担当者の残業増加”に該当する損益計算書の勘定科目の分類として、適切なものはどれか。
売上原価
営業外費用
特別損失
販売費及び一般管理費
解答
解説 選択肢の用語を以下にまとめます。
売上原価:製品を生み出すのかかるコスト。商品の仕入れ費などが該当する。
営業外費用:本業以外にかかるコスト。支払利息や有価証券などが該当する。
特別損失:本業以外で一時的に発生した損害コスト。自然災害などが該当する。
販売費及び一般管理費:販売や管理に掛かかるコスト。人件費(残業代も含まれる)や家賃などが該当する。

問90 Mさんは、改善策を検討する前に〔業務改善の企画書作成に関する上司からの指示〕の(1)に基づいて、発生している問題とその原因との関係を論理的に整理した。発生している問題とその原因との関係を〔事務担当者へのインタビュー結果メモ〕から整理したものとして、適切なものはどれか。
なお、(a)→(b)という記述は、(a)が原因となって(b)という問題が発生したという関係を表している。
クレームの発生 → 誤発送の発生 → 残業の増加
誤発送の発生 → クレームの発生 → 残業の増加
誤発送の発生 → 残業の増加 → クレームの発生
残業の増加 → クレームの発生 → 誤発送の発生
解答
解説 事務担当者へのインタビュー(1)より「毎日残業をしてクレームに対応している」とあるので、クレームの発生→残業の増加が分かります。また事務担当者へのインタビュー(2)より「クレームは誤発送が全件数の80%を占めている」とあるので、誤発送の発生→クレームの発生が分かります。

よって、誤発送の発生→クレームの発生→残業の増加という因果関係を求めることができます。


問91 Mさんは、〔業務改善の企画書作成に関する上司からの指示〕の(2)に基づいて、業務改善の観点を廃止(Eliminate)、統合(Combine)、置換え(Rearrange)、簡素化(Simplify)とし、改善のためのアイデアを複数作成した。〔関係者への追加インタビュー結果メモ〕にある“掲載されている写真が違っている”に対して、簡素化の観点から立案されたアイデアとして、最も適切なものはどれか。
写真の掲載をやめる。
写真ごとの掲載写真の数を絞り込む。
登録内容をシステムでチェックする。
登録内容をまとめてベテラン担当者が目視でチェックする。
解答
解説 観点との対応をまとめると以下のようになります。

選択肢ア:やめる→廃止
選択肢イ:絞り込む→簡素化
選択肢ウ:システム化する→置換え
選択肢エ:まとめる→統合

問92 Mさんは複数のアイデアを、評価軸ごとに5点満点で評価した。関係者間で検討を重ねた最終評価結果が表1のとき、〔業務改善の企画書作成に関する上司からの指示〕の(3)に基づいて最も高い評価を得る案はどれか。

画像(問92)を表示できません

注1) 効果は、クレームの発生を抑える効果とWeb販売を拡大する効果の両面で評価した。

〔評価基準〕
効果(効果の大きさ):5(大きさ) 〜 1(小さい)
費用(費用の小ささ):5(小さい) 〜 1(大きい)
実行(実行のしやすさ):5(容易) 〜 1(困難)
案1
案2
案3
案4
解答
解説 それぞれを順に計算していきます。問題文にある通り、重み付けは、「効果の大きさ:費用の小ささ:実行のしやすさ=4:2:1」となります。

案1:1×4+5×2+5×1=4+10+5=19
案2:2×4+5×2+3×1=8+10+3=21
案3:5×4+1×2+1×1=20+2+1=23
案4:4×4+4×2+2×1=16+8+2=26

よって案4が一番評価が高くなります。

中間C 業務報告書の作成に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

S社の総務部では、所属員が1週間分の業務実績をまとめた業務報告書を毎週作成して、部門のファイルサーバ(以下、部門サーバ)に保管している。
総務部が定めた業務報告書の作成ルールは次のとおりである。

〔業務報告書の作成ルール〕
(1) 業務報告書は、報告する項目が記載されているひな形ファイルを用いて作成する。ひな形ファイルの名称は、“業務報告書(ひな形)”で、部門サーバの、読取りだけが可能な“ひな形”フォルダに保管されている。
(2) 業務報告書のファイル名の形式とその表記ルールは、次の表1のとおりである。

画像(問C)を表示できません


(3) 業務報告書の作成には、PCの個人用フォルダを一時的に利用し、完成後に部門サーバの“報告書”フォルダに保管する。
(4) 部門サーバには完成した業務報告書だけを保管することにし、修正する場合は、PCの個人用フォルダに移動してから修正する。
(5) 業務報告書に関連した資料(以下、関連資料という)がある場合には、部門サーバの“報告書”フォルダに保管する。関連資料として保管できるファイル数の上限は一つの業務報告書についき12とする。
(6) 機密度の高い関連資料を保管するときには、ファイルにパスワードを設定する。パスワードに使用する文字は、半角英数字6桁以上とし、英字大文字、英字小文字及び数字を、それぞれ少なくとも一つ含める。

問93 総務部の情報太郎さんが、2010年9月第2週の業務報告書を作成したときのファイル名として、適切なものはどれか。
報告_100902情報太郎
報告_10092情報太郎
報告_10902情報太郎
報告_1092情報太郎
解答
解説 順番にファイル名を組み立てていきます。
"報告_" :固定
"1009:yymmでyyは2010の下二桁の10,mmは9月の2桁表示09
"2":wで第2週目
"情報太郎":作成者氏名

上記を結合した「報告_10092情報太郎」が正解となります。

問94 ひな形ファイルを用いて、新たに業務報告書をワープロソフトで作成するときの手順として、適切なものはどれか。

a “ひな形”フォルダの“業務報告書(ひな形)”を開く。
b 個人用フォルダの業務報告書を、“報告書”フォルダ内に複写した後、削除する。
c 定められた業務報告書のファイル名を付けて、“報告書”フォルダに保存する。
d 定められた業務報告書のファイル名を付けて、個人用フォルダに保存する。
e ファイルを上書き保存する。
f 報告内容を記述する。
g ワープロソフトを終了する。
a → c → f → e → g
a → d → f → e → g → b
a → e → f → c → g → b
a → f → e → g → b
解答
解説 必要な作業の順に作業を記述していきます。
@a:作成ルール(1)により、"ひな形"フォルダの”業務報告書(ひな形)”を開きます。(なおこのファイルは読み取り専用です)
Ad:作成ルール(3)により、一度個人フォルダにファイルに名前を付けて保存します。
Bf:内容を記述します。
Ce:内容を反映させるために、保存します。
Dg:作業が終わったので、ワープロソフトを終了します。
Eb:作成ルール(4)により、部門サーバにファイルを移動します。

他の選択肢の問題点は以下のとおりです。
選択肢ア:c→fの段階で、完成した報告書だけを保管するという作成ルール(3)及び作成ルール(4)に違反します。
選択肢ウ:a→eの段階で、ひな形そのものを上書きしようとしますが、読取り専用のためできません。
選択肢エ:a→f→eの段階で、完成した報告書だけを保管するという作成ルール(3)及び作成ルール(4)に違反します。

問95 “報告書”フォルダのファイルをファイル名で整列したときに、関連資料が業務報告書と並んで表示されるようにファイル名を付けることにした。この要件が表1の要件を満たす関連資料に付けるファイル名の形式として、適切なものはどれか。ここで、nは関連資料の連番を表す数字で、nの個数は桁数を表す。
“関連_” + n + “_報告_” + yymm + w + 作成者氏名
“関連_” + nn + “_報告_” + yymm + w + 作成者氏名
“報告_” + yymm + w + 作成者氏名 + “_関連_” + n
“報告_” + yymm + w + 作成者氏名 + “_関連_” + nn
解答
解説 まず、報告書のファイル名は「“報告_” + yymm + w + 作成者氏名 」となっています。そのため整列時にこのファイルの前後に関連ファイルを配置するうためには、先頭からのファイル名を極力同じにする必要があります。そこで、「“報告_” + yymm + w + 作成者氏名 + XXX」とするのが適切であるといえます。ファイルの上限が12であることを踏まえるとnは1桁ではなく、nnとして2桁にする法が適切であるといえます。

問96 機密性の高い関連資料のファイルに設定するパスワードとして、適切なものはどれか。
Da8e9
Hdfpfgh
W28t53
z32e2bk
解答
解説 パスワードは、「半角英数字6桁以上とし、英字大文字、英字小文字及び数字を、それぞれ少なくとも一つ含める」としています。

選択肢ア:6桁以上になっていません。
選択肢イ:数字が含まれていません。
選択肢ウ:全ての上演を満たしています。(正解)
選択肢エ:英字大文字が含まれていません。

中間D 図書館システムに関する次の記述を読んで、四つの問いに応えよ

A図書館では、バーコードを用いた図書館システムを用いて、書籍の貸出と返却業務を行っている。

〔書籍の貸出と返却業務〕
(1) 貸出担当は、バーコードリーダで利用者カードの利用者番号と書籍ごとに割り振られた識別番号を読み取り、貸出情報を登録する。
(2) 返却担当は、バーコードリーダで書籍の識別番号を読み取り、返却情報を書き込む。

現在、利用者の利便性向上と業務の効率化を目的として、現行の図書館システムにおけるバーコードをRFID(Radio Frequency Identification)に変更したシステム(以下、新システムという)の導入を検討している。表1に図書館システムで用いるバーコードとRFIDの特徴の対比を示す。

画像(問D)を表示できません


司書のBさんは、利用者や司書から出されている要望事項を、新システムで実現できるかどうか検討することにした。

〔要望事項〕
(1) 利用者カードの利用者番号及び書籍の識別番号をバーコードリーダで個々に読み取っているので、貸出業務が集中する時間帯には、利用者が貸出しのカウンタに並んでしまう。貸出担当は、作業を手早く処理したい。
(2) 書籍棚から取り出した書籍を、利用者が元の棚に戻さないことがある。定期的に、棚と書籍をチェックしながら整理するが、この作業の時間を短くしたい。
(3) 返却担当は貸出予約されている書籍が返却されれば取り置きし、予約をした利用者に電話で連絡する。何度電話しても連絡が取れないことがあるので、連絡の手間を軽減したい。
(4) 書籍の返却は、図書館の入口にある返却ポストでも受け付けている。返却業務が滞ると、図書館システム上で書籍が貸出中になっている時間が増加する。利用者の利便性向上のために、返却ポストに入っている書籍を把握したい。

問97 Bさんは、RFIDを内蔵した利用者カードを発行し、書籍にはシート状に加工したRFIDを貼り、RFID読取装置をカウンタに設置し、貸出、返却時に利用することを検討した。これで改善できる〔要望事項〕として、適切なものはどれか。
(1)
(2)
(3)
(4)
解答
解説 選択肢を順に見てきます。
要望事項(1):RFIDに切り替えることで、一度に沢山の書籍を読み取りできるため、改善が期待できます。
要望事項(2):利用者が元の棚に書籍を戻さないことや棚と書籍のチェックを行うことは、RFIDに変更しても改善できません。
要望事項(3):利用者と電話で連絡が取れないことは、RFIDに変更しても改善できません。
要望事項(4):返却ポストに入っている書籍の把握は、RFIDに変更しても改善できません。

問98 A図書館には数十万冊の蔵書があり、新システムに移行するためには、シート状に加工したRFIDを全ての書籍に貼る必要がある。移行期間中は、現在書籍に貼ってあるバーコードと新たに導入するRFIDを併用し、業務を止めずに新システムにスムーズに移行するため、貸出履歴を管理するためのファイル(テーブル)は現在のシステムのものをそのまま利用する方法を考えた。次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれか。

Bさんは、新システムにスムーズに移行する方法を実施するために、書籍の識別番号と、利用者カードの利用者番号について、次のようにすることにした。

書籍の識別番号:[ a ]
利用者カードの利用者番号:[ b ]
画像(問98ans)を表示できません
解答
解説 書籍の識別番号、利用者カードの利用者番号ともに現行のものを利用し、RFIDに設定することでスムーズに併行することができます。どちらかを新しい番号に置き換えるとバーコードを利用した旧システムでは業務ができなくなります。

問99 Bさんは〔要望事項〕を実現するために、市販されているRFIDを用いたシステムを調べ、次の施策を考えた。

@ RFID内蔵した利用者カードを発行し、書籍にはシート状に加工したRFIDを貼り、貸出、返却時にカウンタで用いるRFID読取装置を新たに導入する。
A 全ての書籍棚の棚板にRFID読取装置を設置し、書籍と書籍棚をチェックするシステムを導入する。
B 返却ポストにRFID読取装置を設置する。

Bさんは、施策@〜Bによる効果を整理した結果、これらの施策では実現できない要求事項があることに気付いた。〔要求事項〕のうち、実現できない事項に該当するものとして、適切なものはどれか。
(1)
(2)
(3)
(4)
解答
解説 選択肢を順に見てきます。
要望事項(1):問97で既に実現可能
要望事項(2):施策Aにより、書籍と書籍棚のチェックを行えるため、改善が期待できます。
要望事項(3):利用者と電話で連絡が取れないことは、追加の施策を実施しても改善できません。
要望事項(4):施策Bにより、返却ポストに入っている書籍の把握ができるようになるため、改善が期待できます。

問100 A図書館では、書籍の他に雑誌も閲覧に供している。ただし、貸出しは行っていない。雑誌を購入する予算は限られているので、Bさんは、利用者によく読まれている雑誌を優先的に購入したいと考えている。そこで、新システムで導入を検討しているRFIDを使ってデータを取得し、そのデータを利用することで雑誌の入替え時の参考にできないかを調査した。
雑誌は、雑誌を載せる棚をもつラック(以下、雑誌ラックという)に置かれている。RFIDを用いた市販システムを調べた結果、雑誌にシート状に加工したRFIDを貼り、棚の一つ一つにRFiD読取装置を設置することで、棚から取り出した時刻、棚に戻した時刻を記憶できることが分かった。
この仕組みを用いて取得したデータから得ることのできる情報として、適切なものはどれか。
雑誌ごとに、雑誌ラックの棚から取り出された回数と取り出されていた時間を取得できる。
雑誌ごとに、雑誌ラックの棚から取り出された回数と取り出されていた平均時間を、利用者の年代ごとに取得できる。
雑誌ごとに、雑誌ラックの棚から取り出された回数を、曜日ごと、利用者の性別ごとに取得できる。
同一人物がある雑誌を複数回取り出した場合の重複を排除し、雑誌ごとに、雑誌ラックの棚から取り出した人数を取得できる。
解答
解説 雑誌を棚から取り出した時刻、棚に戻した時刻が取得できるようになるため、何回取り出されたかやどれだけの時間利用されていたかが取得できます。他の選択肢はユーザの情報が必要となりますので、取得できません。

他の選択肢は以下のようになります。
選択肢イ:年代の情報は取得できません。
選択肢ウ:性別の情報は取得できません。
選択肢エ:同一自分かの情報は取得でいません。