平成16年度秋期 シスアド 問61−80 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問61 CIOの果たすべき役割はどれか。
各部門の代表として、自部門のシステム化案を情報システム部門へ提示する。
情報技術に関する調査、利用研究、関連部門への教育などを実施する。
全社的観点から情報化戦略を立案し、経営戦略との整合性の確認や評価を行う。
豊富な業務経験、業務技術の知識、リーダシップをもち、プロジェクトの運営を管理する。
解答
解説 CIO(Chief Information Officer)とは最高情報担当役員あるいは情報統括役員などといい、経営戦略との整合性を確認しながら会社の情報資源を統括する立場の人のことを言います。

問62 情報システム化計画を立案するときに考慮すべき事項はどれか。
運用を考えて、できるだけ自社の社員で開発するよう検討を進める。
失敗を避けるため、同業他社を調査し、同じシステムにする。
情報化の構想、運用マニュアル及び障害対策を具体的に示す。
情報システムの有効性及び投資効果を明確にする。
解答
解説 情報システム化計画はは有効性や投資効果つまりは、これを導入することでどのような効果があるのかをはっきりさせておく必要があります。また、自社だけではなく必要に応じて外部から意見と取り入れることも重要です。また、自社と他社はかならず違うので、同じシステムが有効である保証は全くありません。

問63 定性的な評価項目を定量化する方法としてスコアリングモデルがある。4段階評価のスコアリングモデルを用いると、表に示した項目から評価されるシステム全体の目標達成度は何%となるか。

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50
52
54
56
解答
解説 まず、全体は(5+8+12)×4で100が目標値となります。そして、現状は5×4+8×1+12×2=52で52/100×100で52が正解となります。

問64 営業利益の計算式はどれか。
売上高−売上原価
売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費)
売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費)+営業外収益−営業外費用
売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費)+営業外損益+特別損益
解答
解説 式が何を表しているのかを以下にまとめます。
売上総利益:売上高−売上原価 営業利益:売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費 経常利益:売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費)+営業外収益−営業外費用 税引前当期利益:売上高−(売上原価+販売費及び一般管理費)+営業外損益+特別損益

問65 製品Aを製造するために、固定費として1,000,000円、変動費として400円/個の費用が発生する。製品Aの設定価格をx円とすると、期待販売数y個は、式y=−30x+90000で近似できることが分かっている。価格を1,000円に設定したとき、期待できる利益は何円か。
25,000,000
35,000,000
36,000,000
59,000,000
解答
解説 まず、設定金額を1,000円にしたときの期待販売数を求めます。つまり、y=-30x+90,000にx=1,000を代入します。これによりy=60,000となります。次に、60,000作った時の売上と原価を求めます。売上は価格が1,000円なので、60,000×1,000円=60,000,000円となり、原価は固定費1,000,000円+変動費400×60,000=25,000,000となります。最後に利益は売上−原価なので、60,000,000−25,000,000=35,000,000円となります。

問66 当期末における残高試算表(一部分)から当期の建物の減価償却費を計算すると、何千円になるか。ここで、償却方法は定額法、耐用年数は20年とし、残存価額は取得価額の10%とする。

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270
320
450
500
解答
解説 取得価額が10,000,000円で、残存価額が10%ですので、対象は9,000,000円となり、これを20年で定額法で計算するので、9,000,000/20=4,500,000円となります。

なお、定額法とは、毎年同じ額を減額していくもので、定率法とは毎年同じ残存価額の比率(つまり、年々額が減っていく)を減額していくものがあります。

問67 ある商品の前月繰越と受払いが表のとおりであるとき、先入先出法によって算出した10月度の売上原価は何円か。

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26,450
27,250
27,586
28,130
解答
解説 売上の合計は70+80で130個あります。これを先入先出し法(先に入荷したものから出荷していく方式)で評価するので、先月繰り越し分100個+5日仕入れ分30個を売り出したものと評価します。つまり、100×200+30×215=26,450円が評価額となります。

問68 商品別に売上高を集計したところ、表のとおりになった。これを基にABC分析を行うと、販売促進の対象となるA群の商品点数は幾つになるか。ここで、A群は売上高合計の70%を基準とする。

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解答
解説 まず、全体の70%に当たる売上高を求めます。これは全体800×0.7=560となります。つぎに、値の大きい方からこの値をこえるまで足していきます。a=180、a+b=320、a+b+c=440、a+b+c+d=540、a+b+c+d+e=620となり、ここで初めて70%を上回ります。よって、aからeまでの5つとなります。また、ABC分析には以下のようなパレート図がよく用いられるので合わせて覚えておくとよいでしょう

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問69 ヒストグラムの説明として、適切なものはどれか。
原因と結果の関係を矢印で結んで示したもの
原因の項目ごとにデータ量を図示し、その累積を折れ線グラフで示したもの
対応して変化する二つの項目の関係を示したもの
データの範囲を区分し、区分ごとにデータ数を柱にして示したもの
解答
解説 ヒストグラムは区間ごとに区切った棒グラフです。概要を以下に示します。

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問70 二つの管理図は、工場内の製造ラインA,Bで生産された製品の、製造日ごとの品質特性値を示している。製造ラインA,Bへの対応のうち、適切なものはどれか。

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ラインAは、ラインBより値のばらつきが大きいので、原因の究明を行う。
ラインA,Bとも値が管理限界内に収まっているので、このまましばらく様子をみる。
ラインA,Bとも値が基準値から外れているので、原因の究明を行う。
ラインBは、値が継続して増加傾向にあるので、原因の究明を行う。
解答
解説 管理図(QC7つ道具の一つ)の見方ですが、基本的に管理限界内に収まっていれば問題ないのですが、増加・減少の連続的傾向、管理限界付近の連続出現、一方への偏り、周期性の発現などが、あらわれた場合は、管理限界内でも異常と判断します。

問71 分析対象としている問題に数多くの要因が関係し、それらが相互に絡みあっているとき、原因と結果、目的と手段といった関係を追及していくことによって、因果関係を明らかにし、解決の糸口をつかむための図はどれか。
アローダイアグラム
パレート図
マトリックス図
関連図
解答
解説 連関図は、複雑な原因と結果、手段と目的などの因果関係を表すのに適したもので、新QC7つ道具のひとつです。また、アローダイアグラムは日程を把握するのに適し、パレート図はABC分析をするのに適して、マトリックス図は2次元の表を作り、相互関係を把握するのに適しています。連関図の例を下に示します。

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問72 表は、顧客(x,y,z)を営業担当者(A,B,C)が担当するときの売上高を示している。例えば、営業担当者Aが顧客xに対する売上高は2百万円である。各営業担当者は、顧客を1人しか担当できないとするとき、最大の売上高は何百万円か。

画像(問72)を表示できません
16
17
18
19
解答
解説 すべての組合せ、つまり8パターンを順次書き出してみて、最大になるものを選べばよいと思います。すると、A=z、B=x、C=yとなり18百万円になります。

問73 工場Xでは、ある原料から3種類の製品A,B及びCを生産している。各製品の単位量当たりの製造時間と原料所要量及び利益額は表に示すとおりである。この工場の月間合計製造時間は最大240時間であり、投入可能な原料は月間150kgである。このとき、製品A,B及びCをそれぞれどれだけ作ると最も高い利益が得られるかを知りたい。この問題を解くのに適切な手法はどれか。

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移動平均法
最小二乗法
線形計画法
定量発注法
解答
解説 複数の制限下で利益が最大になるように求めるためには、線形計画法を使います。以下に例を示します。

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問74 SFA(Sales Force Automation)の基本機能の一つである。コンタクト管理について説明しているものはどれか。
営業担当者からの問合せに対して迅速に回答することによって、営業効率を高める。
顧客への対応を営業担当者が単独で行うのではなく、営業組織全体で行うことによって受注率を向上させる。
顧客訪問日、営業結果などの履歴を管理し、見込客や既存客に対して効果的な営業活動を行う。
個人レベルで蓄積している営業テクニックを洗い出して共有化し、営業部門全体のレベル向上を図る。
解答
解説 SFA(Sales Force Automation)は情報技術を使って営業部門を効率化することで、営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め、売上・利益の増加を目指す手法等を指します。この中のコンタクト管理とは顧客の希望や内容などを整理し、管理することで、効率的な営業を行うことを言います。

問75 電子商取引に使用される。企業間でデータ交換を行う仕組みはどれか。
CA
EDI
SET
SSL
解答
解説 EDI(Electronic Data Interchange)は企業間商取引のことで、取決めには情報伝達規約、情報表現規約、情報運用規約、情報基本規約の4つの取決めがあります。

問76 インターネットを利用した企業間取引において、取引データをそのまま起票したり、社内文章に変換したりすることが容易にできるマーク付け言語はどれか。
HTML
SGML
UML
XML
解答
解説 マークアップ言語には主に3つがあり、以下のような特徴があります

HTML:インターネットで最も多く用いられているマークアップ言語。
SGML:国際標準のマークアップ言語
XML:ユーザ自身がタグを定義することができるマークアップ言語

つまり、ユーザ自身でタグを定義できるため、取引データをそのまま記票したりできます。しかし、体裁を保ったまま内容をやりとりするのであれば、PDFの方が適しているかもしれません。

なお、UMLは統一モデリング言語のことで、マークアップ言語ではありません。

問77 Webページを作成する際、著作権者に確認せずに行った著作物利用のうち、著作権法に照らして、適切なものはどれか。
カーテン生地のカタログに記載された図柄が、著名デザイナ制作のもので、背景に最適だったので、スキャナで取り込んで、色を変更して活用した。
車の販売台数を説明するために、通商白書の統計データをそのまま使って図表化し、Webページに活用した。
最新情報を提供するために、新聞の写真をスキャナで取り込んで活用した。
雑誌のイラストを加工して、Webページ上の自社広告に活用した。
解答
解説 白書とは一般に政府機関等が一般に周知させるために交付する報告書のようなものです。著作権法では、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人、又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するものは著作権を取得することができないとありますので、転載しても問題ありません。(ただし、引用を記述する必要があり、例外も多々あります。)選択肢アはデザイナに著作があるので違法となり、新聞の写真も作成した会社に著作があります。雑誌のイラストも同じく雑誌を作成した会社に著作があるので違法行為となります。

問78 個人の著作物の保護期間が終了するのは、著作者の死後何年経過したときか。
25年
50年
75年
100年
解答
解説 著作権は作成者の死後50年間保護されます。特許は出願から20年間保護されます。

問79 特に取決めのない場合、労働派遣契約によって派遣された派遣労働者が、派遣先企業の指示の下に開発したプログラムの著作権の帰属先はどこか。
派遣先企業
派遣元企業
派遣先企業の直接指揮命令者
派遣労働者
解答
解説 プログラムの著作は制作した会社に帰属します。また、個人や複数の会社が著作権を共有することはありません。

問80 ソフトウェアパッケージのライセンス契約形態のうち、サイトライセンスの説明として、適切なものはどれか。
特定の企業や団体などにある複数のコンピュータでの使用を一括して認める。
特定のコンピュータ又は一定数のコンピュータでの使用を認める。
特定のサーバにインストールし、そのクライアントでの使用を認める。
特定のユーザ又は一定数のユーザに使用を認める。
解答
解説 サイトライセンスとは、多くのライセンスを一括で購入する代わりに割安で提供するものです。siteは場所を意味し、特定の場所内でなら無制限にインストールしてもよいパッケージを指す場合もありますが、はっきりした定義域はありません。また、類義語でボリュームライセンスとはライセンス数をあらかじめ決めておきその数だけインストールするしてもよいというものです。