平成17年度春期 シスアド 問1−20 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問1 パソコンのCPUのクロック数に関する記述のうち、適切なものはどれか。
クロック周波数によってCPUの命令実行タイミングが変化する。クロック周波数が高くなるほどパソコンの命令実行速度は向上する。
クロック周波数によってLANの通信速度が変化する。クロック周波数が高くなるほどLANの通信速度が向上する。
クロック周波数によって磁気ディスクの回転数が変化する。クロック周波数にが高くなるほど回転数が高くなり、磁気ディスクの転送速度が向上する。
クロック周波数はパソコンの内部時計の基準となる。クロック周波数が2倍になると割り込み間隔が1/2になり、リアルタイム処理の処理速度が向上する。
解答
解説 CPUのクロック周波数が増えるとそれだけ、タイミングを細かくとることができ、多くの命令を実行することができるといえます。よって実行速度が向上します。LANの速度はLANケーブルの通信容量に依存しますし、磁気ディスクの回転速度は磁気ディスクの性能に依存します。内部時計とクロック周波数は関係ありません。

問2 磁気ディスク装置の仕様のうち、サーチ時間に直接影響を及ぼすものはどれか。
シリンダ数
単位時間当たりのディスク回転数
データ転送速度
ヘッドの位置決め速度
解答
解説 サーチ時間は磁気ヘッドを目的のデータの先頭まで移動するのにかかる時間で、ディスクが速く回ればそれだけ早く移動することができます。

問3 一つのファイルは磁気ディスク上の連続した領域に記録されているのが理想的であるといわれる。その理由として、適切なものはどれか。
磁気ディスク上にデータの記録されていない部分がなくなり、全領域が利用できる。
ファイルの管理情報を格納する領域が少なくなり、その分利用者が多く利用できる。
分割した領域に記録する場合と比較して、読取りエラーが少なくなる。
連続してデータを読み取る場合、磁気ヘッドの動きが少なくなるので、読取り時間が短くなる。
解答
解説 いわゆる、フラグメンテーションの問題。データが連続してあれば、ヘッドがいちいち移動することがないので素早くデータを読み出すことができます。

問4 磁気ディスクのバックアップを取るために使用されるストリーマ(テープドライブ)の特徴はどれか。
磁気ディスクの更新の差分をバックアップする場合は、記録データの部分書換え機能が利用できる。
磁気ディスクの読出し速度に合わせて、書込み時の記録密度を変更できる。
データの読み書き速度を向上させるために、複数のヘッドを使用している。
データの読み書きを連続して行い、ブロックごとにスタート、ストップさせることはしない。
解答
解説 磁気テープは連続アクセスしかできず、磁気ディスク装置のようにランダムアクセスはできません。しかし、安価なためバックアップ用に利用されることが多いです。

問5 1画素当たり24ビットのカラー情報をビデオメモリに記録する場合、横1,024画素、縦768画素の画面表示に必要なメモリ量は、何Mバイトか。ここで、1Mバイトは10とする。
0.8
2.4
6.3
18.9
解答
解説 まず1画面の画素数を求めます。1024×768=7866432。つぎに、これに24ビット(3バイト)をかけます。7866432×3=2359296 ≒ 2.4MBとなります。

問6 LANを構築する際に、ルータを導入する利点として、適切なものはどれか。
接続された複数のLANのネットワークアドレスを同一にできる。
接続されている機器の台数の把握や稼働状況の管理ができる。
中継する必要のないデータを識別し、通過を抑止することができる。
ほかの通信に影響を与えることなく、ノードの増設や移設ができる。
解答
解説 ルータの特徴にフィルタリング(データの選別)があります。これにより、通過するパケットの選別をすることができます。LANのネットワークアドレスを同一にすると同じネットワークになってしまいます。また、機器や稼働状況はルータのみの実現は厳しいと思われます。ノードの増設はルータの仕事ではありません。

問7 ターンアラウンドタイムの説明として、適切なものはどれか。
記憶装置や周辺機器にデータを要求した時点から、データの転送が完了するまでの時間
コンピュータシステムで、一定の仕事量を処理し終えるまでの時間
ジョブをコンピュータシステムに投入してから、それに対する結果全体が得られるまでの時間
入力装置からの入力が完了してから、出力装置への出力が開始されるまでの時間
解答
解説 ターンアラウンドタイムとは、開始から結果までの全体の時間を指します。一方レスポンスタイムは、指示から結果がディスプレイなどに表示されるまでの時間です。

問8 CPUや低速の入出力装置などで構成されるシステムの処理効率の向上を図るために、入出力データを一時的に磁気ディスク装置に蓄える処理方式はどれか。
キャッシング
スプーリング
スラッシング
ページング
解答
解説 スプーリングとは、プリンタなどの低速な出力装置にダイレクトにデータを送ると時間がかかるため、一旦HDD等にデータを入れてそこからプリンタにデータを送ることで、処理効率を向上させる処理方式です。

問9 パソコンの周辺装置を利用可能にするためのソフトウェアであるデバイスドライバに関する記述のうち、適切なものはどれか。
OSをインストールし直す場合には、デバイスドライバも再度組み込む必要がある。
デバイスドライバは、表計算ソフトやワープロソフトなど、実行するアプリケーションごとに必要である。
入出力可能な周辺装置の場合、読取り専用、書込み専用、読み書き両用の3種類のデバイスドライバが必要となる。
プリンタなどの同一機能の装置を2台接続する場合、一つで両方の装置を制御することが可能なデバイスドライバが必要となる。
解答
解説 デバイスドライバは、周辺機器を使用するためのソフトウェアです。アプリケーションにはデバイスドライバはありません。デバイスドライバはソフトウェアですので、OSを再インストールした場合は、再度インストールが必要となります。

問10 図の階層型ファイルシステムにおいて、カレントディレクトリが矢印で示すB1であるとき、ファイルC2を指定するものはどれか。ここで、ファイルの指定は、次の方式によるものとする。

[指定方法]
(1) ファイルは、“ディレクトリ名/・・・/ディレクトリ名/ファイル名”のように、経路上のディレクトリを順に“/”で区切って並べた後に“/”とファイル名を指定する。
(2) カレントディレクトリは“.”で表す。
(3) 1階層上のディレクトリは“..”で表す。
(4) 始まりが“/”のときは、左端にルートディレクトリが省略されているものとする。
(5) 始まりが“/”、“.”、“..”のいずれでもないときは、左端にカレントディレクトリ配下であることを示す“./”が省略されているものとする。

また、図中の□はディレクトリを表すものとする。

画像(問10)を表示できません
../A1/B2/C2
../B2/C2
A1/B2/C2
B1/../B2/C2
解答
解説 現在B1にいますので、一つ上にあがって(../)、B2に行って(B2/)、C2に行けばいい(C2)ことが分かります。つまり、../B2/C2が正解となります。

問11 ワイルドカードの“%”が任意の複数の文字(文字なしも含む)を表し、“_”が任意の1文字を表すとき、“レ%ス_”に一致する文字列はどれか。
レーザスキャナ
レグレッションテスト
レジストリ
レスポンスタイム
解答
解説 ワイルドカードに関する問題で、Windowsの場合は『%』に相当するものが『*』、『_』に相当するものが『?』が利用されています。最後から2番目がスで、あるので、これだけでイが正解だと分かります。

問12 コンピュータシステムの評価法の一つであるベンチマークに関する記述として、適切なものはどれか。
現実的な状況を模擬的に再現するために、代替構成や縮小モデルを作成して評価を行う。
システム構成の改良やシステムの応答性能の改善のために、各プログラムの実行状態や各資源の評価を行う。
典型的なプログラムを実行し、入出力や制御プログラムを含めたシステムの総合的な処理性能の評価を行う。
命令を分類し、それぞれの使用頻度を重みとした加重平均によって全命令の評価を行う。
解答
解説 ベンチマークテストには様々な種類がありますが、基本的に平均的なプログラムを実行して相対的な処理機能の評価を行います。

問13 新しく開発されたシステムの運用テストが、毎週100時間連続して行われている。稼働率に関する合格基準と運用記録のサマリを基に評価するとき、テストの合否判定として適切なものはどれか。

[稼働率の合格基準]
テスト期間中の連続する3週間において、次の条件を同時に満たしているときに合格とする。
(1) 各週の稼働率は、0.980を下回らないこと
(2) 3週間の通算の稼働率は、0.995を下回らないこと

画像(問13)を表示できません
第3週が終わった時点で合格と判定してよい。
第4週が終わった時点で合格と判定してよい。
第4週が終わった時点で不合格であり、今後1週間は運用テストを続ける必要がある。
第4週が終わった時点で不合格であり、今後2週間は運用テストを続ける必要がある。
解答
解説 まず、各週の稼働率を計算します。第1週目=0.97、第2週目=0.99、第3週目=0.995、第4週目=1.00となります。よって、第1週目は不合格となります。次に第2週目から第4週目の平均は0.995なので、合格となります。

問14 東京〜福岡を結ぶネットワークシステムがある。このシステムの信頼性を向上させるために、東京〜大阪〜福岡を結ぶ回線を追加した。新しいネットワークシステムにおける東京〜福岡の稼働率は幾らか。ここで、回線の稼働率は、東京〜福岡、東京〜大阪、大阪〜福岡のすべてが0.9とする。

画像(問14)を表示できません
0.729
0.810
0.981
0.999
解答
解説 上のラインの稼働率は0.9×0.9=0.81、下のラインの稼働率は0.9です。全体としては、これらの並列となりますので、1−(1−0.81)×(1−0.9)=1−0.19×0.1=1−0.019=0.981となります。

問15 ハードウェアの使用経過年数を横軸、そのハードウェアに故障が発生する確率を縦軸にとると、一般的にどのようなグラフになるか。
画像(問15ans)を表示できません
解答
解説 基本的に、初期導入では徐々に故障が減り、その後安定、最後に故障が増えるというのが一般的です。この形をバスタブ曲線といいます。

問16 コンピュータがPBXなどと連携して、電話やファックスに対して自動応答したり、適切な着信者に振り分けたりする技術はどれか。
CTI
VoIP
VPN
ゲートキーパ
解答
解説 CTI(Computer Telephony Integration)とはコンピュータと電話(FAX)を組み合わせる技術をいいます。自動応答等が代表例といえます。

問17 メールサーバのメールボックスの総容量の不足発生を回避する対策として、適切なものはどれか。
各利用者のメールボックスの使用量に上限を設ける。
メールサーバのディスクの二重化を実施する。
メールデータのバックアップをとる。
容量の大きい電子データは、ほかのメール送信に迷惑をかけない時間帯に一括送信する。
解答
解説 容量に関する問題なので、二重化やバックアップのようなことでは解決できません。また、遅延や処理能力に関係もしていないので、送信制限をかけても意味がありません。各メールボックスに上限を設けることで上限×人数+管理用を最大容量とすることができます。

問18 電子メールを送信した後に、エラーを通知するメールがメールサーバ管理者だけに送られた。この原因として考えられるものはどれか。
あて先のメールアドレスと差出人のメールアドレスの両方とも誤っている。
あて先のメールアドレスと差出人のメールアドレスの両方とも正しいが、メールサーバがダウンしている。
あて先のメールアドレスは誤っているが、差出人のメールアドレスは正しい。
あて先のメールアドレスは正しいが、差出人のメールアドレスは誤っている。
解答
解説 エラーが発生したということは、宛先が間違っていることが分かります。また、送信者にエラーメールを送信したにもかかわらず、届かなかったので、仕方ないので管理者に通知したということになります。よって、両方とも間違っているといえます。サーバがダウンしている場合は、送信者に送信エラーが戻ってきます。ちなみに、差出人メールアドレスが間違っていても、宛先のメールアドレスが正しい場合は送信できます。

問19 ADSLに関する記述として、適切なものはどれか。
既存の電話回線(ツイストペア線)を利用して、上り下りの速度が異なる高速データ通信を行う。
電話音声とデータはターミナルアダプタ(TA)で分離し、1本の回線での共有を実現する。
電話音声とデータを時分割多重して伝送する。
光ファイバケーブルを住宅まで敷設し、電話やISDN,データ通信などの各種通信サービスを提供する。
解答
解説 ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line : 非対称デジタル加入者線)は上り(アップデート)と下り(ダウンロード)の速度が違う通信方式を指します。

問20 文字、静止画、動画、音声、音楽などで実現された情報同士をリンクさせ、そのリンクをたどって次々と関連情報に到達できるようにしたものはどれか。
グラフィカルユーザインタフェース
グループウェア
サイバスペース
ハイパメディア
解答
解説 一般的な双方向のマルチメディアをハイパメディアと言います。よく言うハイパーテキストとはリンクをたどって移動できるテキストをいいます。