平成20年度春期 シスアド 問1−20 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問1 磁気ディスク装置の仕様のうち、サーチ時間に直接影響を及ぼすものはどれか。
シリンダ数
単位時間当たりのディスク回転数
データ転送速度
ヘッドの位置決め速度
解答
解説 サーチ時間は磁気ヘッドを目的のデータの先頭まで移動するのにかかる時間で、ディスクが速く回ればそれだけ早く移動することができます。

問2 デフラグメンテーションの説明はどれか。
エラーが起きるクラスタを別のクラスタに再割付けする。
使われていないクラスタを再配置する。
破損しているクラスタを削除する。
物理的に分散して格納されているファイルを連続した領域に再配置する。
解答
解説 デフラグメンテーションとは、ファイルの読み書きを繰り返すことで、データがある場所が飛び飛びになってしまい(フラグメンテーション)、アクセスするのに時間がかかる現象をいいます。よって、これを解消しすることで、アクセス速度が向上します。

問3 3次元画像や動画などの大量のデータを、グラフィックスボードへ高速に転送するための専用インタフェースはどれか。
AGP
ATA
ISA
PCI
解答
解説 AGP(Accelerated Graphics Port)はマザーボード上に設備され、グラフィックボードを接続するインタフェースです。また、ATAはHDDを接続するインタフェースで、PCIは一般の拡張ボードを接続するインタフェースです。ISAはPCIの前身でいまはほとんど使われていません。

問4 携帯電話同士でアドレス帳などのデータ交換を行う場合に使用される、赤外線を用いるデータ転送の規格はどれか。
IEEE1394
IrDA
PIAFS
RS-232C
解答
解説 IrDAは赤外線を用いてデータ転送をおこなう規格です。PIAFSも無線ですがPHSを用いた標準的な規格です。一方IEEE1394やRS-232Cは有線の規格で、両方ともシリアルインタフェースです。

問5 入力装置のうち、ポインティングデバイスに分類され、CADシステムの図形入力などに使用されるものはどれか。
OCR
OMR
イメージスキャナ
タブレット
解答
解説 ポインティングデバイスとは座標を入力するための入力装置で、タブレットやディジタイザ等が代表的です。OCRは文字を、OMRは記号を、イメージスキャナは画像を取り込むためのものです。

問6 次の条件の時に、必要になる仮想記憶の容量は最低何Mバイトか。

[条件]
(1) OSとして必要とする容量:200Mバイトである。
(2) アプリケーションとして必要とする容量:アプリケーション1本当たり50Mバイトであり、同時に実行する本数分必要となる。アプリケーションは8本同時に実行する。
(3) 主記憶の制御などに必要な容量:主記憶容量+20Mバイトであり、主記憶容量は512Mバイトである。
(4) 仮想記憶の必要容量:(1)〜(3)項の合計である。
762
782
1,112
1,132
解答
解説 まず、(1)で200Mバイト、(2)で50Mバイト×8で400Mバイト、(3)で512+20Mバイト必要なので、合計で1132Mバイト必要です。

問7 UNIXのプログラム実行環境はどれか。
シングルユーザ、シングルタスクである。
シングルユーザ、マルチタスクである。
マルチユーザ、シングルタスクである。
マルチユーザ、マルチタスクである。
解答
解説 マルチユーザとは、一人のユーザが使用しているときに別のユーザが使えることで、マルチタスクとは、処理を複数同時に行えることで、いまは、シングルタスクのOSはほとんどありません。今のOSはほとんど、マルチユーザ・マルチタスクです。

問8 ファイルをディレクトリで管理するファイルシステムに関する記述のうち、適切なものはどれか。
階層構造の最上位のディレクトリとして、最初にカレントディレクトリを作成する。
ディレクトリ管理を可能にするには、ファイルシステムを磁気ディスクに作成する必要がある。
同一ディレクトリの配下に、ファイルとディレクトリを混在して登録することはできない。
ファイルを特定するには、ディレクトリパスを指定する。
解答
解説 ディレクトリは記憶装置であれば、磁気ディスク装置以外でも使えます。また、最上位にはルートディレクトリを作成します(カレントディレクトリとは、今操作の対象としているディレクトリのこと)。ディレクトリパスは絶対・相対パスのいずれかで指定します。

問9 ワイルドカードの”%”が任意の複数の文字(文字なしも含む)を表し、”_”が任意の1文字を表すとき、”レ%ス_”に一致する文字列はどれか。
レーザスキャナ
レグレッションテスト
レジストリ
レスポンスタイム
解答
解説 ワイルドカードに関する問題で、Windowsの場合は%→*、_→?が一般的かと思われます。最後から2番目がスで、あるので、これだけでイが正解だと分かります。

問10 1画面500×400画素、毎秒30画面、画素当たり3バイトで撮影した動画データを、周辺機器を介して読取りながらPCで再生する。周辺機器とPCの間のデータ転送速度が毎秒1×106バイトであるとき、動画を遅延なく再生するためには、あらかじめでーたを1/nに圧縮する必要がある。nの最小値はどれか。ここで、圧縮されたデータの慎重に要する時間及びその他の影響は考慮しないものとする。
18
54
72
144
解答
解説 まず、1秒あたりのデータ量を計算します。500×400×300×3=18Mバイトとなります。転送は1Mpsなので、1/18にすれば転送できることになります。

問11 クライアントサーバシステムと比較したときのピアツーピアの特徴として、適切なものはどれか。
PCのほかにサーバの導入が必要になる。
対等な関係にあるPC同士が相互のデータを利用できる。
ネットワークを介して接続されるPCの台数に制限がある。
ネットワークを介して接続されるPCは常に固定されている。
解答
解説 ピアツーピアはクライアントサーバと逆で、お互いが対等の立場で相互にデータをやりとりします。つまり、あるときはクライアントで、あるときはサーバになるということです。

問12 あるジョブのターンアラウンドを解析したところ、1,350秒のうちCPU時間が2/3であり、残りは入出力時間であった。1年後はデータ量の増加が見込まれているが、CPU時間は性能改善によって当年比80%に、入出力時間は当年比120%になることが予想される。このとき、ジョブのターンアラウンドタイムは何秒になるか。ここで、待ち時間、オーバヘッドなどは考慮しないものとする。
1,095
1,260
1,500
1,665
解答
解説 まず、CPUの使用時間ですが、1,350×2/3=900、900×0.8=720。次に入出力の使用時間は1,350×1/3=450、450×1.2=540。この和なので、720+540=1,260が答えになります。

問13 2台の処理装置からなるシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と、2台とも正常に稼働しなければならないときの稼働率の差は幾らか。ここで、処理装置の稼働率はいずれも0.90とし、処理装置以外の要因は考慮しないものとする。
0.09
0.10
0.18
0.19
解答
解説 直列接続の場合は0.9×0.9=0.81となり、並列接続の場合は1-(2台とも稼働していないとき)=1-((1-0.9)×(1-0.9))で0.99となります。よって差は0.99-0.81=0.18が正解となります。

問14 システムの信頼性の指標であるMTBF及びMTTRに関する記述のうち、適切なものはどれか。
遠隔保守はMTBFを短くし、システムの稼働率を高くする。
機能分散したシステムでは、縮退運転を行うことによってMTTRは短くなる。
システムを構成する機器を直列に接続すると、全体のMTBFは長くなる。
予防保守はMTBFを長くし、システムの稼働率を高くする。
解答
解説 2つの用語をまとめます。
MTBF(Mean Time Between Failure)は平均故障間隔で故障と故障の間の動作していた時間のこと。MTBFが1か月ということは、平均して1か月に1度壊れるという意味です。
MTTR(Mean Time To Repair)は平均故障時間で、実際に故障していた時間のこと。MTTRが10分ということは、故障から復旧まで平均で10分かかるという意味です。
よって、MTBFとMTTRは交互に現れ、MTBF+MTTR=稼働していた時間+故障していた時間=全体の時間
稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)は有名な式なので覚えておくといいでしょう。

問15 RASISに関する記述のうち、可用性(アベイラビリティ)を説明したものはどれか。
コンピュータシステムにおける問題の判別、診断、修理などを効果的に行う。
コンピュータシステムの修理時間の平均を求める。
コンピュータシステムを必要に応じていつでも使用できる状態に維持する。
不正なアクセスによって、コンピュータシステムが破壊されたり、データを盗まれたりしないように、防止策を考える。
解答
解説 RASISを以下にまとめます。

R Reliability(信頼性):故障のしにくさ(MTBFに相当)
A Availability(可用性):使いたいときに使えるか(稼働率に相当)
S Serviceability(保守性):修理のしやすさ(MTTRに相当)
I Integrity(保全性):データの正しさ
S Security(機密性):データの防衛の高さ

問16 TCP/IPネットワークにおいて、ネットワークの疎通確認につかわれるものはどれか。
BOOTP
DHCP
MIB
ping
解説
解答 ping(ピング)は対象にパケットを送信し戻ってくるかを確認するもので、疎通確認に利用されます。なおpingはICMPというプロトコルを利用しています。DHCPは動的にIPアドレスを割り振るプロトコルで、BOOTP(BOOT strap Protocol)はネットワークの情報をサーバから自動的に読み込むプロトコルです。また、MIB(Management Information Base)はネットワーク機器が自分の外部に知らせる情報のことを指します。

問17 メールサーバのメールボックス総容量不足を回避する対策として、適切なものはどれか。
各利用者のメールボックスの使用量に上限を設ける。
メールサーバのディスクの二重化を実施する。
メールデータのバックアップをとる。
容量の大きい電子メールは、ほかの電子メール送信に支障を来さない時間帯に一括送信する。
解答
解説 容量に関する問題なので、二重化やバックアップのようなことでは解決できません。また、遅延や処理能力に関係もしていないので、送信制限をかけても意味がありません。各メールボックスに上限を設けることで上限×人数+管理用を最大容量とすることができます。

問18 既存の電話回線を利用したADSLサービスで、ADSLモデムと電話機を接続する装置Aはどれか。

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スプリッタ
ターミナルアダプタ
ダイヤルアップルータ
ハブ
解答
解説 ネットワーク機器に関する問題です。ADSLと電話回線を分離・結合するものをスプリッタと言います。ターミナルアダプタは、ISDNと電話回線を分けるものを言います。ダイヤルアップルータは、ルータの一種でダイヤルアップ接続をするときに利用します。ハブは集線装置ともいいLANケーブルの集線を行います。

問19 文字、静止画、動画、音声、音楽などで表現された情報同士をリンクさせ、そのリンクをたどって次々と関連情報に到達できるようにしたものはどれか。
グラフィカルユーザインタフェース
グループウェア
サイバスペース
ハイパメディア
解答
解説 一般的な双方向のマルチメディアをハイパメディアと言います。よく言うハイパーテキストとはリンクをたどって移動できるテキストをいいます。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)はアイコンのダブルクリック等でシステムを実行できる環境をいいます。また、グループウェアは電子会議室などに代表される複数の人間が共有するソフトウェアをいい、サイバースペースは、仮想空間と呼ばれインターネットなどの実体をもたない情報を持つ空間をいいます。

問20 マルチメディアオーサリングツールの説明として、適切なものはどれか。
画像、音声、文字などの素材を画面上で組み合わせて、マルチメディアコンテンツを作るためのツールである。
画像、音声、文字などのマルチメディア情報を扱うソフトウェアを作成するためのCASEツールである。
画像、音声、文字などのマルチメディア情報を検索するためのツールである。
画像、音声、文字などのマルチメディアデータベースのスキーマを会話的に定義するためのツールである。
解答
解説 マルチメディアオーサリングツールとは、さまざまな情報を合成してマルチメディアコンテンツを作成するツールのことで、プログラム開発ではないのでCASEツールではありません。また、データベースではありません。