平成18年度秋期 シスアド 問61−80 解答編
このページは
シスアド
(初級システムアドミニストレータ試験)
の
解答と解説
のページです。
問題
だけで勉強したい方は目次へ戻ってください
問61
プロジェクト組織を説明したものはどれか。
ア
構成員が、自己の専門とする職能部門と特定の事業を遂行する部門の両方に所属する組織である。
イ
購買・生産・販売・財務などの仕事の性質によって、部門を編成した組織である。
ウ
特定の課題のもとに各部門から専門家を集めて編成し、期間と目標を定めて活動する一時的かつ柔軟な組織である。
エ
利益責任と業務遂行に必要な職能を、製品別、顧客別又は地域別にもつことによって、自己完結的な経営活動が展開できる組織である。
解答
ウ
解説
企業の代表的な4つの組織形態を以下に示します
職能別組織:直接部門(ライン)⇒製造部や営業部など、と間接部門(スタッフ)⇒人事部や経理部など、に分かれている組織
事業部制組織:地域や製品別等に分け、その事業部ごとに営業部や生産部などをもつ組織
プロジェクト制組織:特定の目的のために、部門にとらわれずに臨時に招集される組織形態。場合によっては社外に人が参加する場合もある。
マトリックス組織:2つ以上の組織に同時に所属する。ただし、命令一元化の原則が崩れる
問62
同業他社とのマーケティング力ポジショニング分析を行った結果を表にまとめた。評価は1が最も低く、5が最も高い。自社の位置付けは上から何位か。
ア
1
イ
2
ウ
3
エ
4
解答
エ
解説
各社を一つずつ計算していきます。
自社:3×5+3×3+4×3+4×2=44
A社:4×5+3×3+2×3+4×4=51
B社:3×5+2×3+5×3+4×4=52
C社:2×5+5×3+1×3+5×4=48
よって、4位となります。
問63
SFAを説明したものはどれか。
ア
営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め、売上・利益の増加を目指す手法である。
イ
企業全体の経営資源を有効に総合的に計画、管理し、経営の効率を良くするための手法・概念である。
ウ
小売店の売上と利益を伸ばすことによって、卸売業・メーカが自社との取引拡大につなげるための小売店の経営活動を支援するシステムである。
エ
消費者向けや企業間の商取引を、インターネットなどの電子的なネットワークを活用して行うことである。
解答
ア
解説
SFA(Sales Force Automation)は情報技術を使って営業部門を効率化することです。この場合は、選択肢アが該当します。
問64
期末の決算において、表の損益計算資料が得られた。当期の営業利益は何百万円か。
ア
270
イ
300
ウ
310
エ
500
解答
イ
解説
営業利益は売上から出費を引いたもので、営業利益=(売上高−売上原価)−(販売費および一般管理費)によって求められ、今回は300百万円となります。
問65
事業年度初日の平成17年4月1日に、事務所用のエアコンを60万円で購入した。平成19年3月31日現在の帳簿価額は何万円か。ここで、耐用年数は6年、減価償却は定額法によるものとし、残存価額は10%とする。
ア
36
イ
40
ウ
42
エ
51
解答
ウ
解説
まず、2つの減価償却のスタイルを確認しておきましょう
定額法:毎年同じ額を減らしていく⇒毎年同じ
定率法:毎年同じ比率で減らしていく⇒徐々に減っていく
今回は定額法で、6年間のうちの2年目で60万円、残存価格は10%なので、60万円で6年後6万円になっていればいいので、(54万円/6)×2で18万円引かれたことになります。よって、60万円−18万円=42万円となります。
問66
表の条件で喫茶店を開業したい。月に10万円の利益を出すためには、1客席当たり1日何人の客が必要か。
ア
3.75
イ
4
ウ
4.2
エ
5
解答
エ
解説
売上は、利益−支出で求められ、支出は固定費+変動費によって求められます。固定費は売上に関係なく発生する費用で、人経費等がこれに当たり、変動費は売上に比例して発生する費用で材料費などがこれに当たります。
100000=500x−(300000−100x)でxについて解くとx=1000人となり、1日当たりに直すと50人、座席当たりに直すと5人となります。
問67
部品の受払記録が表のように示される場合、先入先出法を採用したときの4月10日の払出単価は何円か。
ア
100
イ
110
ウ
115
エ
118
解答
イ
解説
在庫額を見積もる3つの方法を以下にまとめます。
先入先出法:先に入れた在庫を先に出していくものとして見積もる方法
総平均法:入れた在庫を個数と金額をすべて平均値化して見積もる方法
後入先出法:後に入れた在庫を先に出していくものとして見積もる方法
今回は、(2000×100+1000×130)/3000で110円となります。 =110円
問68
不良品の個数を製品別に集計すると表のようになった。ABC分析に基づいて対策を取るべきA群の製品は何種類か。ここで、A群は70%以上とする。
ア
3
イ
4
ウ
5
エ
6
解答
ウ
解説
Pからの累積個数をを全体の比率にして計算してみましょう
P:182/875=0.208
Q:318/875=0.363
R:438/875=0.501
S:536/875=0.623
T:627/875=0.717
となり、Tで初めて70%を超えるので、5つということになります。
問69
管理図を説明したものはどれか。
ア
原因と結果の関連を魚の骨のような形状として体系的にまとめ、結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にする。
イ
時系列的に発生するデータのばらつきを折れ線グラフで表し、上限と下限を設定して異常の発見に用いる
ウ
収集したデータを幾つかの区間に分類し、各区間に属するデータの個数を棒グラフとして描き、品質のばらつきをとらえる。
エ
データを幾つかの項目に分類し、横軸方向に大きい順に棒グラフとして並べ、累積値を折れ線グラフで描き、主要な問題点を把握する。
解答
イ
解説
管理図はQC7つ道具の1つで、上方管理限界と下方管理限界を設定しその中に収まっているか、偏りがないかなどを調べる管理手法の1つです。以下にその概略例を示します。
問70
図は特性要因図の一部を表したものである。a、bの関係はどれか。
ア
bはaの原因である。
イ
bはaの手段である。
ウ
bはaの属性である。
エ
bはaの目的である。
解答
ア
解説
特性要因図はその形から魚の骨やフィッシュボーンの別名をもつQC7つ道具の1つで、特性と要因。結果と原因などが絡み合っているときに用いられます。
問71
マネジメントサイエンス手法の使い方のうち、適切なものはどれか。
ア
機械の信頼性分析を行うために、PERTを用いた。
イ
財務分析を行うために、待ち行列モデルを用いた。
ウ
市場における製品の売上を予測するために、時系列分析の手法を用いた
エ
製品の品質管理のために、シンプレックス法を用いた。
解答
ウ
解説
マネジメントサイエンスは数学的・統計的な手法によって問題解決をする手法です。オペレーションズリサーチの一種であるともいえます。
問72
六つの部屋に合計30台のPCがある。そのすべてのPCで使用するソフトウェアを購入したい。次のような購入方法がある場合、最も安く購入すると何円になるか。ここで、各部署には最低1冊のマニュアルが必要であるものとする。
ア
270,000
イ
306,000
ウ
315,000
エ
318,000
解答
ウ
解説
問題を要約すると、ライセンス30本以上、マニュアル6つ以上
まず、マニュアル用に6ライセンスを入手するので、24本文をどうするかを考えます。5ライセンス<1ライセンス×4なので、5ライセンスを5つ買う方が安いことが分かります。よって、単体×6+5ライセンス×5=15000×6+45000×6で315000円となります。
問73
工場で、ある原料から生産している3種類の製品A、B及びCの単位量当たりの製造時間と原料所要量及び利益額を表に示す。この工場の月間合計製造時間は最大240時間であり、投入可能な原料は月間150kgである。このとき、各製品をそれぞれどれだけ作ると最も高い利益が得られるかを求めるのに適切な手法はどれか。
ア
移動平均法
イ
最小二乗法
ウ
線形計画法
エ
定量発注法
解答
ウ
解説
複数の制限下で利益が最大になるように求めるためには、線形計画法を使います。以下に例を示します。
問74
セル生産方式の利点を生かせる対象はどれか。
ア
生産性を上げるために、大量生産が必要なもの
イ
製品の仕様が長期間変わらないもの
ウ
多種類かつフレキシブルな生産が求められるもの
エ
標準化、単純化、専門化による分業が必要なもの
解答
ウ
解説
セル(=細胞の意味)生産方式は、その名の通り、少量で多くの品目を扱う場合に用いられる生産方式で、柔軟性がある分大量生産には向きません。
問75
クレジットカードの利用に際して、オンラインでカードの無効チェックや与信限度額の確認などを行うものはどれか。
ア
ACR
イ
CAT
ウ
GPS
エ
PDA
解答
イ
解説
CAT(Credit Authorization Terminal)は信用照会端末のことで、クレジット会社と端末間で料金等のやり取りをするものです。なお、ACRは通話を比較し、安い電話会社を利用するように自動的選択する機能のことで、GPSは、地球上の自分の現在位置を確かめるシステムのことで、PDAは携帯電話以上ノートパソコン未満程度の能力を持った電子手帳などの総称です。
問76
EC(Electronic Commerce)におけるBtoCに該当するものはどれか。
ア
CALS
イ
Web−EDI
ウ
バーチャルカンパニー
エ
バーチャルモール
解答
エ
解説
EC(電子商取引)の形態を以下にまとめておきます。
BtoB:企業間での取引
BtoC:企業と消費者での取引
CtoC:消費者間での取引
Bはビジネスの略で企業をさし、Cはカスタマーの略で消費者を指します。
この場合は、企業と消費者での一般的な取引なので、バーチャルモール(インターネット上で商品を買うインターネット取引の形態)が該当します
問77
会社でPC又はコンピュータ1台分のライセンスとして購入したソフトウェアパッケージの使用方法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア
購入したPC用プログラムは、法人の所有となるので、社内であればほかのPCに自由に複写して使用してもよい。
イ
購入したプログラムをLANのサーバにインストールして、複数の端末で使用してもよい。
ウ
購入したプログラムをバージョンアップした場合、不要となった旧バージョンのプログラムは、社外で使用してもよい。
エ
コンピュータをA社製からB社製に変更する場合、変更に必要な範囲であれば、著作権者の承諾なしにプログラムを改変して使用してもよい。
解答
エ
解説
基本的に購入したプログラムはインストール(ライセンス承諾)した端末でしか使用できません。また、一定範囲内であればプログラムの改変(いわゆるカスタマイズ)は認められます。
問78
労働者の就労に関して、雇用関係とは別の指揮命令系統に従うことになるのはどれか。
ア
移籍出向
イ
請負
ウ
パートタイム
エ
派遣
解答
エ
解説
派遣契約はよく出題されるので以下に各関係を示します。
問79
個人情報保護法の定める個人情報に該当しないものはどれか。
ア
営業担当者が保有している個人見込客リスト
イ
顧客のアンケート結果を統計処理し、年齢別に集約したデータ
ウ
索引付きのファイルを用いて、手作業で管理されている名刺
エ
従業員の人事考課情報
解答
イ
解説
個人情報は個人を特定させるような情報なので、統計的、数学的処理を施した抽象データについては個人情報保護法では保護されません。しかし、企業的には保護するべきデータの1つであると考えられます。
問80
刑法の電磁的記録不正作出罪でいう電磁的記録に含まれないものはどれか。
ア
ICメモリ
イ
テレホンカード
ウ
バーコード
エ
光ディスク
解答
ウ
解説
電磁的記録とはいわゆるHDなどに保存できるディジタルデータのことです。バーコードはパソコンに入っているデータのようなものではないので、電磁的記録ではありません。