平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問21−40 解答編




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ITパスポート

(エントリ試験)

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問21 競争優位が形成するための経営戦略の一つとして、インターネットを使った電子商取引の活用がある。電子商取引のうち、BtoCに当たるものはどれか。
一般消費者が出品するオークションサイト
一般消費者向けのインターネット通信販売サイト
他企業への原材料販売などの企業間取引サイト
福利厚生目的の自社従業員向け社内販売サイト
解答
解説 BtoCとは商取引の形態の一つで(ビジネス to カスタマー)という意味です。つまり、企業と消費者間の取引を表します。
また、BtoB(企業間)、BtoBtoC(消費者への商取引を目的とした企業への取引)GtoB(政府と企業)、GtoB(政府と市民)、BtoE(企業と労働者)等の形態があります。

他の選択肢は、以下のように対応すると考えられます。

選択肢ア:CtoC
選択肢ウ:BtoB
選択肢エ:BtoE

問22 顧客に価値をもたらし、企業にとって競争優位の源泉となる、競合他社には模倣されにくいスキルや技術を指すものはどれか。
アカウンタビリティ
コアコンピタンス
コーポレートガバナンス
パーソナルスキル
解答
解説 それぞれの用語を以下にまとめます。

アカウンタビリティ:アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)の合成語で、「会計責任、説明責任」のこと
コアコンピタンス:他社がまねのできない自社ならではの価値を提供する技術やスキルなど、企業の中核となる能力
コーポレートガバナンス:経営者の権力行使をけん制し、健全な経営を行うことができる仕組みを作る
パーソナルスキル:経済産業省が定めたITスキル標準で定義されている用語で「業務を遂行する際に必要とされる人間的側面のスキル」とされています

問23 商品の販売による収入は、キャッシュフロー計算書のどの部分に記載されるか。
営業活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー
キャッシュフロー計算書には記載されない。
解答
解説 キャッシュフロー(cash flow:現金流量)とは、その名の通り現金の動きを表すものです。実際にキャッシュフローを計算したものをキャッシュフロー計算書または、C/Sといい、営業活動、投資活動、財務活動の3つで評価されます。キャッシュフローは現金の動きなので、たとえ借入金であっても、現金として手元に来るのでキャッシュフローはプラス(増加要因)になります。

営業活動によるキャッシュフローの例:商品の仕入による支出
投資活動によるキャッシュフローの例:有形固定資産の売却による収入
財務活動によるキャッシュフローの例:短期借入金の返済による支出

商品の販売による収入は、営業活動によるキャッシュフローに相当します。

問24 A社と競合B社の相互の意思決定において、A社先手で相互に3手目までの打つ手を次のとおり作成した。表の数値は3手目の局面におけるA社の期待値である。A社は自社の期待値を大きくするように打つ手を選択し、B社は、3手目の結果を予想してA社の期待値を小さくするように打つ手を選択するとき、3手目の局面におけるA社の期待値は何億円か。

画像(問24)を表示できません
10
15
解答
解説 各場面における期待値(確率的平均)を計算します。

1手目:値引きする=(9+2+15+8)/4=34/4=8.5
1手目:値引きしない=(0−6+10+4)/4=8/4=2
よって、A社は期待値を大きくするために、値引きするを選択します。

2手目:値引きする=(9+2)/2=11/2=5.5
2手目:値引きしない=(15+8)/2=11.5
よって、B社は期待値を小さくするために、値引きするを選択します。

3手目:広告する=9
3手目:広告しない=2
よって、A社は期待値を大きくするために、広告するを選択します。

よって、期待値は9億円となります。

問25 ある業務システムの新規開発を計画している企業が、SIベンダに出すRFPの目的として、最も適切なものはどれか。
開発する業務システムの実現方法とその可能性を知るために、ベンダから必要な技術情報を得たい。
業務システムの開発を依頼する候補を絞り込むために、得られる情報からベンダの能力を見たい。
業務システムの開発を依頼するために、ベンダの示す提案内容から最適な依頼先を選定したい。
業務システムの開発を依頼するベンダと機密保持契約を結ぶために、ベンダからの了解を取り付けたい。
解答
解説 RFI、RFP、RFQの3つを順に解説します。

RFI:(Request for Information)情報提供依頼書
RFP:(Request For Proposal)提案依頼書
RFQ:(Request For Quotation)見積依頼書

まず、RFIで業者に情報提供を依頼し、それをもとに業者を選定します。その後選定した業者に、具体的な内容を求めるRFPを依頼します。最後に価格などを決めるRFQを依頼します。RFPとRFQは一緒になる場合もあります。

問26 ある商店で販売している商品Aの1週間の売上個数の分布は表のとおりである。商品Aの発注から納入までのリードタイムが1週間のとき、品切れになる確率を10%未満にするため、発注時に最低限必要な在庫は幾つか。

画像(問26)を表示できません
87
88
92
93
解答
解説 在庫が0になる確率を10%以下にするということは、保有している在庫数を上回る売上になる確率を10以下にするということです。今94個以上売れる確率は1%、93個以上売れる確率は1+5=6%、92個以上売れる確率は1+5+11=17%なので、売上個数の累積確率が10%を超える92個が最低限必要な在庫数といえます。

問27 不正アクセス禁止法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
アクセスコントロール機能を有する個人使用のPCに対してイントラネット経由で不正にアクセスしても、不正アクセス禁止法違反にならない。
実際に被害が発生しなくても、不正アクセス行為をするだけで不正アクセス禁止法違反となる。
他人のIDとパスワードを、その利用方法を知っている第三者に教えるだけでは、不正アクセス禁止法違反にならない。
不正アクセス禁止法違反となるのは、インターネット経由でアクセスされるものに限られる
解答
解説 不正アクセス禁止法は、ネットワーク通信においてコンピュータの不正な利用やその助長を防ぐために策定された法律です。

不正アクセス禁止法で禁止されているのは、IDの無断使用や提供、セキュリティホールへの攻撃などです。また、他人のIDやパスワードをネットワークを介して盗み取る行為は禁止されていますが、直接見た場合に関しては禁止されてはいません。

問28 プロバイダ責任制限法によって、プロバイダの対応責任の対象となり得る事例はどれか。
書き込みサイトへの個人を誹謗中傷する内容の投稿
ハッカーによるコンピュータへの不正アクセス
不特定多数の個人への宣伝用の電子メールの送信
本人に通知した目的の範囲外での個人情報の利用
解答
解説 プロバイダ責任制限法は、インターネット等でプライバシーの侵害や、誹謗中傷などがあった場合に、適切な処理をすることで、プロバイダが負う責任を免除する法律

問29 企画プロセス、要件定義プロセス、開発プロセス、保守プロセスと続くソフトウェアライフサイクルにおいて、企画プロセスの段階で行う作業として、適切なものはどれか。
機能要件と非機能要件の定義
経営上のニーズと課題の確認
システム方式の設計と評価
ソフトウェア方式の設計と評価
解答
解説 それぞれのプロセスを分類すると以下のようになります。

選択肢ア:要件定義プロセス
選択肢イ:規格プロセス
選択肢ウ:開発プロセス
選択肢エ:開発プロセス

問30 民法では、請負契約における注文者と請負人の義務が定められている。記述a〜cのうち、民法上の請負人の義務となるものだけを全て挙げたものはどれか。

a 請け負った仕事の欠陥に対し、期間を限って責任を負う。
b 請け負った仕事を完成する。
c 請け負った全ての仕事を自らの手で行う。
a,b
a,b,c
a,c
解答
解説 a,b,cの根拠となる法令を例示します。

a:仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる
b:請負は仕事の完成を内容とするものであるから請負人は仕事完成義務を負う
c:請負人は特約のない限り履行代行者を用いて仕事の完成にあたらせてもよい。(つまり、下請に出してもよい)

つまり、a,bが請負人の義務といえます。

問31 営業活動の支援と管理強化を目的としたSFAシステムの運用において、管理すべき情報として、最も適切なものはどれか。
顧客への訪問回数、商談進捗状況、取引状況などの情報
社員のスキル、研修受講履歴、業務目標と達成度などの情報
商品の販売日時、販売個数、販売金額などの情報
製品の生産計画、構成部品とその所要数、在庫数などの情報
解答
解説 SFA(Salse Force Automation:営業支援)とは、営業の支援を行うシステムや、システムを使った効率化のことをいいます。具体的には商談の進捗管理や、グループウェア支援、顧客データベースなどのシステムなどが相当します。

問32 昨年1月1日に本番稼動を開始したソフトウェアの保守作業の件数を1月から12月まで月別に集計したところ、図のようなグラフになった。このグラフにおける原因Aに該当する保守作業のうち、最も適切なものはどれか。

画像(問32)を表示できません
昨年6月に実施したハードウェアのバージョンアップ作業
ソフトウェアの改善要望に対応する作業
ソフトウェアの初期不良に対応する作業
毎年4月に実施するデータ追加作業に関する作業
解答
解説 特定の作業を行った場合に、その作業が原因である場合は、その月が最も保守作業が多くなります。そのため、6月や4月にピークがないので、選択肢ア、選択肢エが不当であることがわかります。要因Aが原因の保守作業件数がほぼ単調に減少していることと、システムの稼動が1月1日であることをあわせると、初期不良に対応する作業であると予想できます。

問33 現在5分程度掛かっている顧客検索を、次期システムでは1分以下で完了するようにしたい。この目標を設定する適切な工程はどれか。
システム設計
システムテスト
システム要件定義
ソフトウェア受入れ
解答
解説 まず、開発工程の流れを以下のV字工程にまとめます。

V字を表示できません

システムがもつべき、機能、性能などは、システム要件定義で行います。その後これらを実現するために、各種設計を行い、プログラミング、テストと続きます。


問34 ソフトウェアの品質特性は、機能性、使用性、信頼性、移植性などに分けられる。使用性に分類されるものはどれか。
仕様書どおりの実行結果や操作が提供されている。
ソフトウェアの平均故障間隔が長い
他のOSでも稼動できる。
利用者の習熟時間が短い。
解答
解説 ソフトウェアの品質には、ISO/IEC 9126という規格があり、以下の6つの特性が定義されています。

機能性(functionality):ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力
信頼性(reliability):指定された条件下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力
使用性(usability):指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品の能力
効率性(efficiency):明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力
保守性(maintainability):修正のしやすさに関するソフトウェア製品の能力
移植性(portability):ある環境から他の環境に移すためのソフトウェア製品の能力

それぞれの特性には、副特性というさらに細かい性質が定義されています。

選択肢アは、機能性の説明です。
選択肢イは、信頼性の説明です。
選択肢ウは、移植性の説明です。

問35 ITサービスマネジメントが担う情報システムの管理作業のうち、システムの不具合の暫定的な回避策を実施し迅速な復旧を行うプロセスはどれか。
インシデント管理
変更管理
問題管理
リリース管理
解答
解説 サービスサポートは主にITサービス運営における日々の運用について書かれており、一つの機能と、五つのプロセスで構成されています。下に内容をまとめます。

インシデント管理:障害時の迅速な回復を行い、影響を最小限にする
問題管理:インシデントや障害の原因の解明と対策・再発防止を行う
構成管理:構成アイテム情報の収集や維持・管理・確認・検査を行う
変更管理:構成アイテムの変更を安全かつ効率的に実施する
リリース管理:変更管理プロセスで承認された内容を本番環境に反映させる
サービスデスク:顧客との窓口の役割をし、サポート業務を行う

問36 内部統制に関する記述a〜cのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

a 経営者は内部統制の整備と運用の責任を持っている。
b 内部統制の運用については、組織の全員が自らの業務との関連において一定の役割を担っている。
c 費用対効果にかかわらず、内部統制は整備すべきである。
a,b
a,b,c
a,c
b,c
解答
解説 それぞれの項目についてみていきます。

a:経営者は、実施される内部統制に対して責任を負います。
b:内部統制の運営は、組織全員が協力して行います。
c:費用対効果の高い順に、内部統制を整備します。

問37 インタフェースを一つだけもつモジュールが6個ある。これらのモジュールが相互に結合できるかを試験したい。1組のモジュール結合テストに4時間を要するとき、全ての組合せのテストに合計何時間掛かるか。
20
24
60
120
解答
解説 組合せ論的には、62となりますが、記号を用いなくても全ての組合せを求めることが可能です。まず、1つ目のモジュールは残りの5つとテストを行います。2つめは最初の1つを除いた4つとテストを行います。3つめは、すでに終わった2つを除いた3つとテストを行う。・・・という風になり、5+4+3+2+1回のテストが必要になります。つまり、15回のテストを行う必要があります。

つぎに、15回のテストが4時間ずつ必要なので、60時間掛かるといえます。

問38 財務システムの機能追加プロジェクトのプロジェクトマネージャに任命されたAさんは、プロジェクトのリスクチェックリストを作成するために、過去のプロジェクトで使用したリスクチェックリストを手に入れた。リスクチェックリストに関する記述のうち、適切なものはどれか。
過去のリスクチェックリストは過去の情報や知識を基に作成されたものなので、新たに作成するリストチェックの参考にする。
過去のリスクチェックリストは過去の情報や知識を基に作成されたものなので、これに載っていないリスクの検討は不要と判断する。
プロジェクトごとにばらつきが出ないように、過去のリスクチェックリストをそのまま使用する。
プロジェクトごとにリスクは変化するので、過去のリスクチェックリストに載っていないリスクだけで新しいリスクチェックリストを作成する。
解答
解説 間違いの選択肢の間違いを指摘していきます。

選択肢イ:過去のチェックリストだけでリスク検討するのは危険です、新しいリスクも検討するべきです。
選択肢ウ:新しいプロジェクトなので、新しくチェックリストを作成します。
選択肢エ:過去のリスクチェックにある項目も必要であれば、新しいチェックリストに反映させます。

過去の類似プロジェクトのチェックリストはあくまで参考に、現在のプロジェクトにあわせて新しく調整しなおすべきといえます。

問39 情報システムの運用における変更管理に関する記述として、適切なものはどれか。
ITサービスの中断による影響を低減し、利用者ができるだけ早く作業を再開できるようにする。
障害の原因を究明し、再発防止策を検討する。
承認された変更を実施するための計画を立て、確実に処理されるようにする。
変更したIT資産を正確に把握して目的外の利用をさせないようにする。
解答
解説 変更管理は、サービスサポートの一つで、サービスサポートは主にITサービス運営における日々の運用について書かれており、一つの機能と、五つのプロセスで構成されています。下に内容をまとめます。

インシデント管理:障害時の迅速な回復を行い、影響を最小限にする
問題管理:インシデントや障害の原因の解明と対策・再発防止を行う
構成管理:構成アイテム情報の収集や維持・管理・確認・検査を行う
変更管理:構成アイテムの変更を安全かつ効率的に実施する
リリース管理:変更管理プロセスで承認された内容を本番環境に反映させる
サービスデスク:顧客との窓口の役割をし、サポート業務を行う

選択肢アは、インシデント管理の説明です。
選択肢イは、問題管理の説明です。
選択肢エは、構成管理の説明です。

問40 ITILの説明として、適切なものはどれか。
ITサービスの運用管理を効率的に行うためのソフトウェアパッケージ
ITサービスを運用管理するための方法を体系的にまとめたベストプラクティス集
ソフトウェア開発とその取引の適正化のために作業項目を定義したフレームワーク
ソフトウェアを効率よく行うための開発モデル
解答
解説 ITILは(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめたもので、ITサービス運用で重要なものです。

最新版はV3で以下の5冊のコアブックから構成されています。
・サービスストラテジ
・サービスデザイン
・サービストランジション
・サービスオペレーション
・継続的サービス改善