平成19年度春期 基本情報 問21−40 解答編





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基本情報

(基本情報技術者試験)

解答と解説のページです。

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問21 アクセス時間の最も短い記録装置はどれか。
CPUの2次キャッシュメモリ
CPUのレジスタ
磁気ディスク
主記憶
解答
解説 アクセス速度は、CPUに近いほど高速になります。つまり、選択肢の記憶装置をアクセス順に並べると以下のようになります。

@CPUのレジスタ
ACPUの2次キャッシュメモリ
B主記憶
C磁気ディスク

逆に記憶容量は、磁気ディスクのほうが大きく、CPUのレジスタの方が小さくなります。

問22 USBの説明はどれか。
PCとPC内蔵型のCD−ROM装置や、DVD装置を接続するためのパラレルインタフェースである。
磁気ディスクやプリンタなどをデイジーチェーンで接続するパラレルインタフェースである。
ハブを介してツリー状に機器を接続できるシリアルインタフェースである。
プリンタなどに赤外線を使ってデータを転送するシリアルインタフェースである。
解答
解説 USB(Universal Serial Bus)は現在最も主流な周辺装置と接続するインタフェースのひとつです。また、現在のUSBはUSB2.0というもので、ロースピード、フルスピード、ハイスピードの3つのモードがあります。

選択肢アは、ATA/IDEの説明です。
選択肢イは、SCSIの説明です。
選択肢ウは、IrDAの説明です。

問23 接続コードを使用せずに、手元のPCから、間仕切りで隔てられた隣のPCへ画像ファイルを転送したい。このとき、利用できるインタフェースはどれか。
Bluetooth
IEEE1394
IrDA
シリアルATA
解答
解説 まず、IEEE1394とシリアルATAは有線の規格なので間違いであることがわかります。IrDAはプリンタや携帯端末へデータを転送する赤外線通信の規格です。よって、Bluetoothであることがわかります。

問24 1画面が30万画素で、256色を同時に表示できるPCの画面全体を使って、30フレーム/秒のカラー画像を再生させる。このとき、1分間に表示される画像のデータ量(Mバイト)に最も近いものはどれか。ここで、データは圧縮しないものとする。
77
270
540
2,300
解答
解説 動画の容量は、1画面あたりのデータ量×1秒間のフレーム数となります。つまり、30万×28×30フレーム×60s=54000万バイト=540Mバイトとなります。

問25 ベクトルコンピュータの特徴はどれか。
多数のPCをネットワークで接続し協調動作させる。
多数の演算ユニットの接続形態を動的に切り替える。
一つの命令で配列中の複数のデータを同時に演算する。
命令パイプライン上で複数の命令を同時に実行する。
解答
解説 ベクトルは一般的には方向を持った値ですが、コンピュータではこれを配列で実現します。よって、この配列演算を一度に行うことで高速化を実現します(普通のコンピュータはループで行います)。このようなコンピュータをベクトルコンピュータといい、フリンの分類でいうところのSIMDに相当します。

選択肢アは、分散処理/グリッドコンピューティングの説明です。
選択肢イは、ダイナミックリコンフィギュア(プロセッサ)の説明です。
選択肢エは、スーパースカラー方式の説明です。

問26 プロセッサの制御機構に分類されるものはどれか。
ALU
アキュムレータ
命令デコーダ
メモリアドレスレジスタ
解答
解説 選択肢の機構を下にまとめます。

ALU(演算論理演算):四則演算や論理演算を行う。
アキュムレータ:演算の途中結果などを一時的に格納する場所。
命令デコーダ:命令レジスタの命令部を解読して、実行の準備をする。
メモリアドレスレジスタ:主記憶にアクセスするときのアドレスを格納するレジスタ。

問27 キャッシュメモリと主記憶との間でブロックを置き換える方式にLRU方式がある。この方式で置換え対象になるブロックはどれか。
一定時間参照されていないブロック
最後に参照されてから最も長い時間が経過したブロック
参照頻度の最も低いブロック
読み込んでから最も長い時間が経過したブロック
解答
解説 ページ(ブロック)の置換えには幾つかのアルゴリズムがあります。下にまとめます。

NRU(Not Recently Used):最近使われていないものから順に置き換える(選択肢アに相当)
LRU(Least Recently Used):最後に参照されてから最も時間が経過したものから順に置き換える(選択肢イに相当)
LFU(Least Frequently Used):最も使用頻度の低いものから順に置き換える(選択肢ウに相当)
FIFO(First In First Out):最初に読んだものから順に置き換える(選択肢エに相当)

問28 仮想記憶方式の一つに、仮想アドレス空間を固定長の領域に分割して管理するものがある。この固定長の領域を示す用語はどれか。
セクタ
セグメント
フレーム
ページ
解答
解説 仮想記憶方式で、可変長の領域をセグメント。固定長の領域をページといいます。セクタは、磁気ディスクの最小記憶単位です。フレームにはさまざまな意味がありますが、ネットワークの伝送単位などをいいます。

問29 セマフォを用いる目的として、適切なものはどれか。
共有資源を管理する。
スタックを容易に実現する。
スラッシングの発生を回避する。
セグメンテーションを実現する。
解答
解説 セマフォとは、手旗信号を語源とし、複数のタスクでひとつの資源を共有するために利用される共通領域上にとられたフラグのことをいいます。まず、P操作で資源を取得しV操作で資源を解放します。

問30 プログラムのモジュール単位に主記憶を割り当てる可変区画方式のコンピュータにおいて、五つのモジュールA〜Eを次の順序でロードしたり解放したりする。最後のモジュールEをロードした時点で、主記憶の空き領域は何か所存在するか。ここで、主記憶は500kバイトで初期状態では何もロードされていない。また、モジュールは空き領域の先頭からロードされるものとし、その他の条件は考慮しない。

[ロードと解放の順序]

Aのロード → Bのロード → Cのロード → Bの解放 → Dのロード → Aの解放 → Eのロード

画像(問30)を表示できません
解答
解説 順番に追跡(トレース)していきます。アドレスを1〜500までの500kバイトとします。

@Aのロード(1〜200:A)
ABのロード(1〜200:A、201〜300:B)
BCのロード(1〜200:A、201〜300:B、301〜450:C)
CBの開放(1〜200:A、301〜450:C)
DDのロード(1〜200:A、201〜280:D、301〜450:C)
EAの開放(201〜280:D、301〜450:C)
FEのロード(1〜90:E、201〜280:D、301〜450:C)

よって、91〜200。281〜300.451〜500の3ヶ所が空き領域となっています。

問31 クライアントサーバシステムの特徴に関する記述のうち、適切なものはどれか。
クライアントとサーバOSは、同一種類にする必要がある。
サーバはデータ処理要求を出し、クライアントはその要求を処理する。
サーバは、必要に応じて処理の一部を更に別のサーバに要求するためのクライアント機能をもつことがある。
サーバは、ファイルサーバやプリントサーバなど、機能ごとに別のコンピュータに分ける必要がある。
解答
解説 クライアントサーバシステム(CSS、C/S)は処理を要求する側と専門に処理する側に分けることで、処理効率を向上させるシステムです。この際OSを同一にする必要はありません、また機能別にコンピュータを分ける必要もありません。(Webサーバとメールサーバを同じマシンにすることも可能です)また、サーバは必要に応じて別のサーバに処理を委託することもあります。

問32 NAS(Network Attached Storage)の特徴はどれか。
サーバとストレージが1対1で直接接続され、ストレージをサーバごとに占有できる。
サーバとストレージとはブロック単位でデータをやり取りするので、応答が速い。
ファイルの改ざんを防止することができるので、変更を必要としない固定化されたデータの格納に利用されることが多い。
複数のプロトコルに対応しているので、異なるOSのサーバ間でもファイル共有が可能である。
解答
解説 NAS(ネットワーク接続ストレージ)とは、ネットワークに直接接続して利用するファイルサーバをいいます。NASはファイル単位でアクセス権などを設定できます。このサーバにRAIDなどの機能を付加することで、保守性や利便性を向上させることができます。ただし、ファイルの改ざんには別の機能を必要とします。

問33 四つの装置A〜Dで構成されるシステム全体のアベイラビリティとして、最も近いものはどれか。ここで、個々のアベイラビリティは、AとCが0.9、BとDが0.8とする。また、並列接続部分については、いずれか一方が稼動しているとき、当該並列部分は稼動しているものとする。

画像(問33)を表示できません
0.72
0.92
0.93
0.95
解答
解説 まず、並行部分の稼働率を計算します。

AC並列部分は1−(1−0.9)×(1−0.9)=1−0.1×0.1=1−0.01=0.99
BD並行部分は1−(1−0.8)×(1−0.8)=1−0.2×0.2=1−0.04=0.96

これが2つ直列になっているので、0,99×0.96=0.9504≒0.95となります。

問34 フォールトトレラントシステムの説明として、適切なものはどれか。
システムが部分的に故障しても、システム全体としては必要な機能を維持するシステム
地域的な災害などの発生に備えて、遠隔地に予備を用意しておくシステム
複数のプロセッサがネットワークを介して接続され、資源を共有するシステム
複数のプロセッサで一つのトランザクションを並列して処理し、結果を照合するシステム
解答
解説 重要なシステム設計法についてまとめて起きます。

フォールトトレラント:障害時に全体が停止するということなく、動作し続けるようなシステムを設計するもの。
フォールトアボイダンス:システムの構成要素の信頼性を高め, 元から故障が極力発生しないように設計すること。
フェールセーフ:障害が発生した場合、常に安全側に制御・停止すること。
フェールソフト:障害が発生した場合、故障した個所を切り離すなどして、稼動を続けること。
フールプルーフ:ユーザが誤った操作をした場合、危険に晒されることがないように、事前に安全策を行うこと。

問35 TCP/IPネットワークでDNSサーバが果たす役割はどれか。
PCなどからのIPアドレス付与の要求に対し、サーバに登録してあるIPアドレスの中から使用されていないIPアドレスを割り当てる。
サーバのIPアドレスを意識せず、プログラムの名前を指定するだけでサーバのプログラム呼び出しを可能にする。
社内のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、インターネットへのアクセスを可能にする。
ドメイン名やホスト名などとIPアドレスとを対応付ける。
解答
解説 DNS(Domain Name System)は、URLのドメイン名とIPアドレスを対応付けるものです。これが正しく機能していないと、ホームページなどをIPアドレスで指定しなければならなくなります。

選択肢アは、DHCPの説明です。
選択肢イは、RPC(Remote Procedure Call)の説明です。
選択肢ウは、NATの説明です。


問36 XMLの特徴のうち、最も適切なものはどれか。
XMLでは、HTMLにWebページの表示性能の向上を主な目的とした機能を追加している。
XMLでは、ネットワークを介した情報システム間のデータ交換を容易にするために、任意のタグを定義することができる。
XMLで用いることができるスタイル言語は、HTMLと同じものである。
XMLは、SGMLを基に開発されたHTMLとは異なり、独自の仕様として開発された。
解答
解説 まず、代表的な3つのマークアップ言語をまとめます

HTML:インターネットで最も多く用いらているマークアップ言語
SGML:HTMLやXMLの元となった、国際標準のマークアップ言語
XML:ユーザ自身がタグを定義することができるマークアップ言語

転送には基本的に、HTTPが使われます。さらに、最近はXHTMLというのもあります

問37 JavaServletの説明として、適切なものはどれか。
Javaで開発されたプログラムであり、クライアントの要求に応じてWebアプリケーションサーバ上で実行される。
Javaで開発されたプログラムであり、サーバからダウンロードして実行される。
Javaで開発されたプログラムをアプリケーションの部品として取り扱うための規約である。
Javaで開発されたプログラムを実行するインタプリタであり、バイトコードと呼ばれる中間コードを実行する機能を持つ
解答
解説 Javaに関する用語を下にまとめておきます。

JavaScript:web上で用いられるスクリプト言語(プログラム言語のJavaとは互換性がなく、基本的に別物)
Javaアプリケーション:単独で動作する一般的なJavaで書かれたプログラム
Javaアプレット:サーバからクライアントにダウンロードして動作するJavaのプログラム
Javaサーブレット:サーバ上で動作するものをJavaのプログラム
JavaBeans:アプリケーションを部品化し、再利用することで開発効率を向上させる規約

選択肢イはアプレット、選択肢ウは、JavaBeans、選択肢エは仮想マシン(バーチャルマシン)の説明です。

問38 大規模なWebサイトを構築する場合には、Webサーバに加えてアプリケーションサーバを用いる場合が多い、この理由のうち、適切なものはどれか。
Webサーバだけでは、業務処理を実行できないから
Webサーバだけでは、コンテンツを動的に作成できないから
Webサーバだけよりも、システムの変更、増強が容易になるから
Webサーバには、認証を行う能力がないから
解答
解説 まず、Webサーバとはインターネットの閲覧などを行うサーバで、アプリケーションサーバは固有のアプリケーションの実行などを提供するサーバです。Webサーバだけで業務をしたり、動的コンテンツの作成はできます。また、プロトコルによっては認証を行うこともできます。しかし、Webサーバだけでは、スケーラビリティ(拡張性)が低いので、アプリケーションサーバを立てて応用範囲を広くするのが一般的です。

問39 CASEツールは適用する開発工程や範囲によって分類できる。要求分析の支援機能が含まれる分類はどれか。
下流
上流
テスト
保守
解答
解説 CASE(Computer Aided Software Engineering:コンピュータ支援ソフトウェア工学)とは、ソフトウェア開発を支援するツールで、解析ツール、設計ツール・コンパイラ・テストツールなどから構成されます。

要求定義から内部設計程度までを上流。プログラミング設計、プログラミングあたりを下流。テスト、保守の4つから構成されます。(場合によっては、2つや3つにまとめる場合もあります)

問40 外部設計及び内部設計の説明のうち、適切なものはどれか。
外部設計ではシステムを幾つかのプログラムに分割し、内部設計ではプログラムごとのDFDを作成する。
外部設計ではデータ項目を洗い出して論理データ構造を決定し、内部設計では物理データ構造、データの処理方式やチェック方式などを決定する。
外部設計と内部設計の遂行順序は、基本計画におけるユーザの要求に基づいて決定される。
外部設計はコンピュータ側から見たシステム設計であり、内部設計はユーザ側から見たシステム設計である。
解答
解説 まず、外部設計と内部設計の位置をV字工程を使ってしたにしめします。

画像(問40kai)を表示できません

外部設計:システムから見た設計で、データ項目の洗い出しと論理データの設計、画面のレイアウトなどを決定します。
内部設計:コンピュータから見た設計で、物理データ構造、アルゴリズム、チャックディジットの方式などを決定します。