平成22年度 春期 ITパスポート試験 問81−100 解答編




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ITパスポート

(エントリ試験)

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問81 フラッシュメモリに関する記述として、適切なものはどれか。
一度だけデータを書き込むことができ、以後読出し専用である。
記憶内容の保持に電力供給を必要としない。
小型化が難しいので、ディジタルカメラの記憶媒体には利用されない。
レーザ光を用いてデータの読み書きを行う。
解答
解説 最近は、持ち運びに便利なUSBフラッシュメモリが良く流通しています。フラッシュメモリは、何度でも書き換えが可能なメモリです。電子的に何度でも書換えが可能です。

選択肢アは、CD/DVD−Rの説明です。
選択肢エは、CD/DVDの説明です。

問82 2台のPCから一つのファイルを並行して更新した。ファイル中の同一データ(データ1)に対する処理が@〜Cの順に行われたとき、データ1はどの値になるか。ここで、データ1の初期値は5であった。

画像(問82)を表示できません
14
15
解答
解説 順番に追いかけていきます。

PC−Aでデータの値を15にします(まだファイルに書き込んでいません)
PC−Bでデータの値を4にします(まだファイルに書き込んでいません)
PC−Aがファイルの値を15に書き換えます。
PC−Bがファイルの値を4に書き換えます。

つまり、PC−Aの値は反映されないわけです。このような現象は排他制御を行わないで並列作業をすると発生します。このようなファイルや場所・データをクリティカルセクションといいます。

問83 関係データベースにおいて主キーを指定する目的はどれか。
主キーに指定した属性(列)で、複数のレコード(行)を同時に特定できるようにする。
主キーに指定した属性(列)で、レコード(行)を一意に識別できるようにする。
主キーに指定した属性(列)に対し、検索条件を指定できるようにする。
主キーに指定した属性(列)を算術演算の対象として扱えるようにする。
解答
解説 主キーとは、商品番号、社員番号のようにその値だけで、他のレコード(行)を一意に特定できるように設定される属性(列)のことです。一般的に主キーには、他と値が重複しない(ユニーク)ことや空値(NOT NULL)などの制限があります。

問84 TCO(Total Cost of Ownership)の説明として、最も適切なものはどれか。
システム導入後に発生する運用・管理費の総額
システム導入後に発生するソフトウェア及びハードウェアの障害に対応するために必要な費用の総額
システム導入時に発生する費用と、導入後に発生する運用・管理費の総額
システム導入時に発生する費用の総額
解答
解説 TCOとは導入から保守・運用・初期メンテナンスまでを含めた導入時のトータルコストのことを指します。

問85 下から上へデータを積み上げ、上にあるデータから順に取り出すデータ構造(以下、スタックという)がある。これを用いて、図に示すような、右側から入力されたデータの順番を変化させて、左側に出力する装置を考える。この装置に対する操作は次の3通りである。

@ 右側から入力されたデータをそのまま左側に出力する。
A 右側から入力されたデータをスタックに積み上げる。
B スタックの一番上にあるデータを取り出して左側に出力する。

この装置の右側から順番にX,Y,Zを入力した場合に、この@〜Bの操作を組み合わせても、左側に出力できない順番はどれか。

画像(問85)を表示できません
X,Z,Y
Y,Z,X
Z,X,Y
Z,Y,X
解答
解説 それぞれの選択肢を評価していきます。

選択肢ア:@でXを出力する。AでYをスタックに積む。@でZを出力する。BでYをスタックから出力する。
選択肢イ:AでXをスタックに積む。@でYを出力する。@でZを出力する。BでXをスタックから出力する。
選択肢ウ:AでXをスタックに積む。AでYをスタックに積む。@でZを出力する。いずれの操作でもXをYより先に出力することはできない。
選択肢エ:AでXをスタックに積む。AでYをスタックに積む。@でZを出力する。BでYをスタックから出力する。BでXをスタックから出力する。

よって、選択肢ウのみが出力できない順番となります。

問86 サーバの仮想化技術に関する記述として、適切なものはどれか。
1台のコンピュータ上で複数の仮想的なサーバを動作させるための技術
公衆回線を経由してサーバにアクセスする際、公衆回線を仮想的に専用回線であるかのように利用する技術
コンピュータグラフィックスや音響技術を駆使して、仮想的に現実感をもつ空間を作り出す機能をサーバにもたせるための技術
サーバにおいて、ハードディスクを仮想的に主記憶装置の代わりとして利用するための技術
解答
解説 サーバの仮想化技術とは、1台のサーバでウェブサーバ、メールサーバ、DHCPサーバなどを動かすことをいいます。1台で行うためコストや管理が簡単になる反面、障害時のリスクなどが高まるという特徴があります。

選択肢イは、VPNの説明です。
選択肢ウは、バーチャルリアリティの説明です。
選択肢エは、仮想記憶の説明です。

問87 攻撃者が、システムの利用者になりすましてシステム管理者に電話をかけ、パスワードを忘れたと言ってパスワードを初期化してもらい、システムに侵入した。このような行為を何というか。
DoS攻撃
総当たり攻撃
ソーシャルエンジニアリング
バックドア
解答
解説 選択肢の用語を以下にまとめます。

DoS(Denial of Service attack:サービス拒否)攻撃とは、サーバに高負荷をかけてサービスを妨害する攻撃をいいます。複数から行う場合には、DDoS攻撃といいます。
総当り攻撃:パスワードの解読などに行われる手法で、全ての組み合わせを試す手法です。(数字4桁ならば0000〜9999を順番にためすなど)
ソーシャルエンジニアリング:コンピュータを使わず、人をだまして重要情報を聞き出したり、物理的にゴミ箱から書類を盗んだりする手口を言います。
バックドア:攻撃者がサーバなどに仕掛ける、不正な侵入口のことです。

問88 音声信号をディジタル化する。図の時刻1から時刻5のタイミングで標本化を行い、4段階に量子化(標本点に最も近い段階を選択)を行った。その後2ビットで符号化を行った。結果は“11 01 00 10 11”であった。同じ手法でディジタル化を行うと“01 00 10 11 01”となる音声信号を示す図はどれか。

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解答
解説 アナログデータ(時間も振幅も連続)をディジタルデータ(時間も振幅も離散)に変換するためには、標本化→量子化→符号化という作業を行います。各作業を簡単に以下にまとめます。

標本化:時間を離散化する。(一般的には最大周波数の2倍で行います)
量子化:振幅を離散化する。
符号化:量子化したデータを特定の符号に対応付けする。

符号化と量子化は、多くのサンプリングポイントを取ることで、よりオリジナルに近いデータを作り出すことができます(データ量は多くなります)

まず、例をつかって、値の読み取り方を確認します。

画像(問88kai_1)を表示できません

確かに、11,01,00,10,11となります。

それでは、選択肢を見ていきます。

画像(問88kai_2)を表示できません

よって、ディジタル信号は以下のようになります。
選択肢アは、01,01,00,10,11となります。
選択肢イは、01,00,10,11,01となります。
選択肢ウは、01,00,10,11,10となります。
選択肢エは、01,00,10,10,01となります。

中間A 在庫システムの開発計画に関する次の記述を読んで、問89〜92に答えよ。

Sさんは、在庫管理システム(以下、システムという)を構築するプロジェクトに参加することになった。

システムの開発計画は、プロジェクトにおける成果物及び完了基準を明確にした上で、作業分割、作業内容定義、作業順序設定、作業期間見積り、スケジュール作成の五つのステップに分けて順に実施される

(1) 作業分割では、WBS(Work Breakdown Structure)を用いて、成果物の作成作業を細分化する。WBSは、全体の作業を分割し、その構成要素を階層構造として整理したものである。
(2) 作業内容定義では、分割した各作業の成果物と工数を定義する。
(3) 作業順序設定では、作業間の前後関係を決定する。
(4) 作業期間見積りでは、作業の工数を要員数で割ることで、作業期間を求める。
(5) スケジュール作成では、各作業期間を基に開始日と終了日を決定する。

Sさんは、先輩の指導の下で、図に示すWBSによるシステムの作業分割を実施した。

画像(問A)を表示できません

問89 Sさんは、作業分割の図において、システム要件定義などのシステム開発作業全体にかかわるものをサブシステム1,2…と同じ階層に記述するようにと、先輩から指示を受けた。図のシステム要件定義と同じ階層に記述すべき作業として、適切なものはどれか。
システム監査
システム結合
ソフトウェア結合
ソフトウェアコード作成及びテスト
解答
解説 サブシステムが1つのプログラムやモジュールを表していると考えられるので、1つプログラムの中で完結している『ソフトウェア結合』や『ソフトウェアコード作成及びテスト』ではないことがわかります。システム監査はシステム開発の工程ではありませんので、答えはシステム結合となります。

問90 作業分割の図では、最初の段階でシステム開発作業全体にかかわるものとサブシステムに着目して分割している。Sさんが図のサブシステムごとに、次の段階で行った作業分割の説明として、適切なものはどれか。
開発の工程別に作業分割した。
システム要件定義の項目ごとに作業分割した。
ソフトウェアごとに作業分割した。
モジュールごとに作業分割した。
解答
解説 WBSの2段目を見ると、ソフトウェア方式設計、ソフトウェア詳細設計と工程別に分かれていることがわかります。

ソフトウェア(サブシステム)で分けているのは一番上の作業分割です。
モジュールで分けているのは、その下の作業分割です。
なお、一番下の作業分割は機能で分けているものと考えられます。

問91 作業内容定義では、作業分割で作成したWBSを基に、担当、工数を加えた表を作成した。次の表はその一部を示したものである。画面設計での作業5の作業間には次に示す順序関係があるとき、画面設計のクリティカルパスの作業日数はどれか。図では、作業の流れを矢印で、作業名を矢印の上又は下に示している。

画像(問91)を表示できません
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解答
解説 PERT図に作業日数と最早開始日を入れていくと下図のようになり、10日になることが分かります。

画像(問91kai)を表示できません

問92 Sさんは、作業期間見積りを行い、作業期間を基に作業の開始日と終了日を決定し、スケジュール作成を行った。次の表はスケジュールの一部を示したものである。スケジュールを見た先輩から誤りを指摘された。Sさんが受けた指摘として、適切なものはどれか。次の図は6月のカレンダであり、土日は作業を行わないものとする。

画像(問92)を表示できません
帳票のレイアウトの工数は10なので、終了日は6月26日である。
帳票レイアウト作業は、田中さんの前作業が重なるので終了日を6月19日に設定できない。
帳票レイアウトの作業は、担当が2名割り当てられているので、終了日を6月18日に設定することができる。
帳票レイアウトの作業は、ほかの作業と比較して工数が多いので、作業期間を長めに見積もる必要がある。
解答
解説 選択肢を順に見ていきます。n日後とは土日を除いた日数とします。

選択肢ア:工数は10ですが、担当者は2人なので終了日は5日後の6月19日で問題ありません。
選択肢イ:6月3日から4日後に作業は終了するので、6月9日の開始日には作業ができます。
     しかし、6月9日から6日後は6月16日なので、6月13日の開始日に間に合いませんので、終了日も間に合いません(正解)
選択肢ウ:二人割り当てられているので、5日かかるので、6月19日となり18日ではありません。
選択肢エ:作業日数が多くても、人日で割り当てているので問題ありません。

中間B 文献の貸出管理業務に関する次の記述を読んで、問93〜96に答えよ。

A社研究所の資料室では、文献の貸出管理業務を行っている。文献の貸出管理業務には、PCのデータベースソフトを活用した文献貸出管理システム(以下、文献システムという)を利用している。

文献システムのデータベース構造は、次のとおりである。

保有する文献と貸出についての条件は、次のとおりである。

画像(問B)を表示できません


[保有する文献と貸出についての条件]
(1) 同一文献は複数保有せず、文献ごとに固有な文献番号が採番されている。
(2) 貸出期間は、貸出日を含んで最長2週間である。ここで、返却された文献をその日に違う社員に貸し出すことは可能であるが、同じ社員に対して返却した同一文献をその日のうちに貸し出すことはない。

貸出から返却までの手続きは、次のとおりである。

[貸出から返却までの手続]
(1) 社員は借りたい文献を書庫から取り出して、資料室の担当者(以下、担当者という)に手渡し、社員番号を提示する。
(2) 担当者は文献システムを使って貸出処理を行い、社員に文献を手渡す。
(3) 文献返却時、社員は担当者に文献を返却し、担当者は文献システムを使って返却処理を行う。

文献システムにおける貸出処理と返却処理の仕様は、次のとおりである。

[貸出処理]
(1) 文献番号で文献表を検索し、文献名を取得する。
(2) 社員番号で社員表を検索し、社員名とメールアドレスを取得する。
(3) 貸出表のレコード(以下、貸出レコードという)を用意して、(1)、(2)で取得した文献番号、文献名、社員番号、社員名、メールアドレスを設定し、貸出日に当日の日付を、返却日に空白値を設定する。
(4) (3)で設定した貸出レコードを貸出表に追加する。
[返却処理]
(1) 文献番号で貸出表を検索し、返却日が空白値である貸出レコードを抽出する。
(2) 抽出した貸出レコードの返却日に当日の日付を設定し、貸出表を更新する。


問93 文献システムのデータベース構造の記述として、適切なものはどれか。
貸出表の主キーは、文献番号と社員番号の組合せである。
貸出表の主キーは、文献番号、社員番号と貸出日の組合せである。
社員表と貸出表の主キーは、社員番号である。
文献表と貸出表の主キーは、文献番号である。
解答
解説 まず、3つの表の関係をまとめると

社員表と貸出表が1対多の関係
貸出表と文献表が多対1の関係

そして、 社員表の主キーは社員番号
文献表の主キーは文献番号

貸出表は、上の二つを外部キーにしているので、文献番号と社員番号が主キーに貸出日を加えたものになります。
貸出日を加えるのは、同じ文献を同じ社員が過去に借りたことがある場合に、貸出日がないと特定できなくなるからです。

よって、選択肢イが正解となります。

問94 文献システムの[貸出処理]と[返却処理]に基づき、次の図に示すDFDを作成した。DFDのa〜cに入る適切な字句の組合せはどれか。

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解答
解説 まず、DFDの記号をまとめると以下のようになります。

DFDを表示できません

問題文の処理について必要な部分だけを簡潔に参照すると、以下のようになります。

[貸出処理]
文献番号で文献表を検索する。
社員番号で社員表を検索する。
貸出レコードを貸出表に追加する。

[返却処理] 文献番号で貸出表を検索する。
貸出表を更新する。

よって、社員表、文献表を読み出し貸出表に書き込んでいるので、aが貸出処理。bが貸出表であることがわかります。さらに、貸出表に読み込みと更新を行っているcが返却処理であることも分かります。

問95 担当者には、社員からの文献の問合せが多い。担当者は、社員から電話で文献名を聞き、貸出可能かどうかを調べている。そこで、文献検索機能を文献システムに追加し、社員に利用させることにした。文献検索機能の概要は次のとおりである。

追加する文献検索機能について、その処理のながれを次の図のとおりにまとめた。図のd〜fに入る適切な字句の組合せはどれか。

[文献検索機能の概要]
(1) 問い合わせる文献名で、文献表をあいまい検索して結果を表示する。
(2) 該当する文献があるかを確認し、該当するものがある場合は、貸出可能かどうかを調べる。
(3) 貸出中であるか、貸出可能であるかを表示する。

画像(問95)を表示できません


@ “貸出可能”と表示する
A “貸出中”と表示する
B 文献番号で貸出表を検索し、返却日が空白値の貸出レコードを抽出する
C 文献番号で貸出表を検索し、最も古い貸出日の貸出レコードを抽出する
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解答
解説 該当する文献が存在する場合に行う処理で、該当するレコードで貸出か否かを判断しているので、dに相当する処理は貸出中のレコードの検索であることが分かります。つまり、返却日が空白値のレコードを探していきます。
その後、レコードがなければ、“貸出可能”。レコードがあれば、“貸出中”と表示します。

最後に、補足ですが流れ図において、四角形は処理。ひし形は条件分岐を表します。また、あいまい検索とは『*や?』などのワイルドカードをつかった検索をいいます。

問96 貸出日を含んで2週間を越えても返却していない社員に対して、連絡するために調査を行った。該当者を抽出する方法として、適切なものはどれか。
貸出表の貸出日が空白値で、かつ、返却日が調査日から2週間以内のレコードを抽出する。
貸出表の貸出日が調査日から2週間以上前のレコードを抽出する。
貸出表の返却日が空白値で、かつ、貸出日が調査日から2週間以上前のレコードを抽出する。
貸出表の返却日が空白値のレコードを抽出する。
解答
解説 まず、返却していないので、返却日が空白値のレコードが条件に含まれます。そして対象の日(調査日)から2週間以上経過している(貸出日が2週間以上前のレコード)を探してくればよいことになります。

選択肢ア:貸出日が空白のレコードは存在しません。
選択肢イ:すでに返却されている、過去に借りられたレコードも抽出されてしまいます。
選択肢エ:2週間以内の文献も抽出されてしまいます。(すべての貸出中の文献が抽出される)

中間C 事業戦略立案に関する次の記述を読んで、問97〜100に答えよ。

健康食品メーカのS社の企画部では、健康菓子事業の戦略立案を進めており、自社の状況を、SWOT分析での強み、弱み、機会、脅威に分類して認識して、採るべき戦略を検討して二つの方針案を作成した。

S社の状況と方針案の概要は、次のとおりである。

[S社の状況]
(1) 営業拠点数が他社よりも少ない。
(2) 競合するT社の健康菓子事業の撤退が決まった。
(3) 競合他社よりも高い商品企画力をもっている。
(4) 健康志向の高まりで、健康食品への関心が高まっている。
(5) 工場の老朽化が進んでいる。
(6) 少子化によって子供の人口が減少している。
(7) 食品の安全性に対する消費者の目が厳しくなっている。
(8) 顧客の会員化によって顧客情報が集まり、富裕層の会員獲得にも成功している。

[方針案の概要]
方針案1:強みを更に伸ばすために、情報システムを強化する。
方針案2:自社の事業の拡大を図るために、T社が撤退する事業を買収する。ここ数年の健康菓子の市場シェアは、Q社25%、R社16%、S社12%、T社10%、その他37%である。

問97 [S社の状況]を次のようなマトリックスで整理する。[S社の状況]の(1)と(2)を図のa〜dに分類するとき、適切な組合せはどれか。

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解答
解説 SWOT分析とは、目的達成の環境を4つに分けて分析(それぞれの頭文字からSWOTと名づけられています。)するものです。下に概要を示します。

まず、内部要因(自社の環境)と外部要因(自社を取り巻く環境)に分けられます。

内部要因
強み(Strengths) :目標達成に貢献する個人や組織の要因
弱み(Weaknesses):目標達成に障害となる個人や組織の要因
外部要因
機会 (Opportunities):目標達成に貢献する外部の要因
脅威 (Threats) :目標達成に障害となる外部の要因

(1)は内部要因で、不利な面なのでb(弱み)です。
(2)は外部要因で、有利な面なのでc(機会)です。

問98 [S社の状況]の中で、強みに分類されるものとして、適切な組合せはどれか。
(1)と(5)
(2)と(4)
(3)と(8)
(6)と(7)
解答
解説 各分類を下にまとめます。

強み:3,8(=選択肢ウ)
弱み:1,5(=選択肢ア)
機会:2,4(=選択肢イ)
脅威:6,7(=選択肢エ)

問99 方針案1に沿って、強みを更に伸ばすための方策に関する記述として、適切なものはどれか。
営業拠点数の影響を受けにくいインターネットによる通信販売システムを導入する。
顧客の購買データを分析して、会員にきめの細かいサービスを提供するために、CRMシステムを構築する。
商品の生産工程における安全管理を徹底するために、生産管理システムの刷新を図る。
成人向け健康菓子の企画に際して、各地域の人口分布に関する統計データを分析することを目的として、POSシステムを導入する。
解答
解説 各選択肢に対応する状況を見ていきます。

選択肢ア:(1)への対策
選択肢イ:(8)を延ばす対策
選択肢ウ:(7)への対策
選択肢エ:(6)への対策

よって、次のようになります。
選択肢ア:弱みへの対策
選択肢イ:強みを延ばす対策
選択肢ウ:脅威への対策
選択肢エ:脅威への対策

問100 方針案2を進めた場合、[S社の状況]の(1)と(5)に対処することができ、T社が占めていた市場シェアをほぼ確保できる見込みである。市場シェアに基づいて次の表のような戦略を採った場合、買収後のS社の戦略に関する記述として、適切なものはどれか。

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Q社の人気商品に類似した健康菓子を商品化し、Q社よりも低価格で販売する。
アレルギーに配慮した健康菓子の生産に特化して、高価格、高収益を目指す。
広告などによって人々の健康志向を高め、健康菓子の需要そのものを増やす。
商品企画に関連する部門に資金を投入して、競争力の高い優れた商品を企画し、販売する。
解答
解説 S社がT社を買収し、シェアを獲得すると市場シェアは以下のように変化します。

Q社:25%
S社:22%(自社)
R社:16%
その他:37%

そのため、『自社の強みで他社を攻撃』する戦略をとります。

次に、選択肢の戦略を分類すると以下のようになります。

選択肢ア:模倣によるコストの節約
選択肢イ:特定ニーズへの対応
選択肢ウ:市場全体の規模の拡大
選択肢エ:自社の強みで他社を攻撃

よって、S社は選択肢エのような行動をとるべきだといえます。