平成16年度秋期 シスアド 問41−60 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問41 図に示すような、パソコン2台、サーバ1台とプリンタ1台から構成されるLANシステムがある。パソコンaからプリンタへの出力ができないとき、問題切分けの流れ図において、Pに当てはまるものはどれか。ここで、パソコンではサーバを経由せずに、直接プリンタにする方式を採っている。

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パソコンaがLANシステムに接続できていない。
パソコンaにおいて、プリントキューなどの出力に関する設定が不適切である。
ハブの障害でLANシステムが稼働していない。
プリンタがハードウェア障害で作動していない。
解答
解説 各障害の原因を以下にまとめてみます。 まず、パソコンbからプリンタ出力が出来ず、2台のパソコンからサーバにアクセス出来ない場合は、LAN自体が機能していないと考えられます。(選択肢ウに相当)
次に、パソコンbからプリンタ出力が出来ず、2台のパソコンからサーバにアクセスできる場合は、LANは機能しているので、プリンタに問題があるといえます(選択肢エに相当)
さらに、パソコンbからプリンタ出力ができ、パソコンaからサーバにアクセスできない場合は、パソコンaにネットワーク的な問題があると思われます。(選択肢ウに相当) 最後に、パソコンbからプリンタ出力ができ、パソコンaからサーバにアクセスできる場合は、設定上の問題からプリンタがうまく出力できないと考えられます(選択肢イに相当)

問42 情報システム部門が構築した基幹業務システムのクライアントとなっているパソコンが、障害内容を画面に表示して突然作動しなくなった。このような事態に対する利用者の最初の行動として、最も適切なものはどれか。
エラーメッセージなどの障害内容を基に、可能な限り自分で解決を図るようにする。
画面に表示された障害内容によって、自分で対応できる障害か、情報システム部門へ依頼すべき障害かを判断する。
このシステムのクライアントとしてパソコンを使っている人たちに障害が発生したことを連絡し、実行中の処理を中断してもらう。
パソコンを再起動し、その異常状態を情報システム部門へ連絡する。
解答
解説 基本的にパソコンがエラーを起こした場合は管理者へ連絡をするというのが原則です。しかし、障害内容が自分で確認でき、その内容を理解できるのであれば必ずしも管理者(情報システム部門など)へ連絡しなくても自分自身で修復できるならば、自分で直しても問題ありません。内容によっては、修復後に情報システム部門へ連絡を入れたりする方が好ましいでしょう。障害を起こしてしまったことに負い目を感じていきなり電源を切ったりする初心者がいますが、ログも状況もわからなくなるので絶対に避けるべきです。

問43 パソコンを用いて作成したテキスト形式の会計データを、情報処理部門が管理する全社会計システムへファイル転送することになった。事前に確認すべき項目として、適切なものはどれか。
双方のアプリケーションで使用している文字コード体系
双方のコンピュータで使用しているCPUの演算ビット数
双方のコンピュータのOS
双方のシステム構築で用いたプログラム言語
解答
解説 テキスト形式ということは、それを記述している文字コードによっては、文字化けをして正しく読めない可能性があります。OSが異なっていても文字コードが同じであれば正しくデータを読み書きできます。ただし、OSによってはデフォルトの文字コードが違うので要注意です。

問44 クライアント管理ツールに備わっている機能のうち、業務に無関係なソフトウェアがインストールされていないことを確認するのに最も有効なものはどれか。
インベントリ収集
遠隔操作
ソフトウェア配信
ライフサイクル管理
解答
解説 インベントリとはLAN上のクライアントがもっているソフトウェア等の情報のことで、これを集めることで、不要なソフトウェアを検出することができます。遠隔操作は、ネットワークを介して遠くのシステムを動かすことをいいます。ソフトウェア配信は、複数のクライアントにソフトウェアやバッチを配信すること、ライフサイクル管理は、ハードウェアやソフトウェアの導入から廃棄までの流れのことです。

問45 システムのコストを表すTCOの意味として、適切なものはどれか。
企業が初期投資する情報システムの総コスト
システム開発で発生する総コスト
システム導入から運用・保守・教育までを含む総コスト
システム導入時の総コスト
解答
解説 TCO(Total Cost of Ownership)の略で導入から保守・運用・メンテナンス・教育までを含めたトータルコストのことです。ろ

問46 全国に分散しているシステムの保守に関する記述のうち、適切なものはどれか。
故障発生時に遠隔保守を実施することによって、MTTRは長くなる。
故障発生時に行う臨時保守によって、MTTRは短くなる。
保守センタを1か所集中から分散配置に変えることによって、MTTRは短くなる。
予防保守を実施することによって、MTTRは短くなる。
解答
解説 MTBFは平均故障間隔のことで、MTTRは平均修理時間のことです。よって、保守センタを複数個所設けることで、すぐに故障地点に駆けつけることができMTTRの短縮に役立つと考えられます。

問47 次の条件でのアプリケーションプログラムの年間修正費用は、およそ何百万円か。

[条件]
(1) プログラム規模:2,000kステップ
(2) プログラムの潜在不良率;0.04件/kステップ
(3) 潜在不良の年間発見率;20%/年
(4) 発生不良の分類 影響度大の不良:20%, 影響度小:80%
(5) 不良1件当たりの修正費用 影響度大の不良:200万円, 影響度小の不良:50百万円
(6) 修正するのは、影響度大の不良だけとする。
640
1,280
1,600
6,400
解答
解説 2000kステップで1kステップ当たり0.04件の不良が存在するので、全体で80件あることになります。このうち発見できるのは2割なので、80×0.2=16件となりこの中の影響度大の不良は2割で16×0.2=3.2となり、これを200万円で修正するので、3.2×200百万円=640百万円となります。

問48 プレゼンテーション用資料の作成に関する記述として、適切なものはどれか。
箇条書きは効果的な表現方法なので、重要な部分はできるだけ箇条書きにするのがよい。
自分の主張を相手に伝えるものであるから、できるだけ主観的に記述するのがよい。
図解は誤解を招きやすいので、文章主体の構成にして、図やグラフなどは補助的に使用するのがよい。
本文を“です”調で構成する場合は、箇条書き部分も“です”調にするのがよい。
解答
解説 箇条書きは状況を整理したり分かりやすく伝えるときに有効で重要な部分は箇条書きにして説明をする方が効果的といえます。また、プレゼンテーションは主観的過ぎずてきどに客観性をもたせた方が良いといえます。また、適度に図解を用いて表現したりすることも有効です。

問49 過去5年間のシステム障害について、種類別件数と総障害件数の年ごとの推移を比較するのに最も適切なものはどれか。
折れ線層グラフ
二重円グラフ
ポートフォリオ図
レーダチャート
解答
解説 推移を表すのには折れ線グラフが適しており、年ごとのようにまとまったものは折れ線層グラフを用いるのが適切です。二重円グラフは比率を表すのに適していますし、ポートフォリオは二つの項目を縦と横に軸を取り大小に基づいて項目を書き込んでいくものでPPM等が代表例です。また、レーダチャートは全体のバランスを見るのに適しています。

問50 ワープロソフトの禁則処理について説明しているものはどれか。
英単語の途中で改行するときに、適切な位置で自動的に−(ハイフン)を付けて次行につなげる。
行頭や行末に置くと不適切になる文字を前の行や次の行に配置して読みやすくする。
入力誤りや入力ルール違反を判定し、再入力を促す。
マクロの機能を一時中断する。
解答
解説 禁則処理とは行頭や行末におくと不自然になる文字を次の行や前の行に入れる処理のことで、具体的には行頭に『。』が来た場合は前の行にいれるといった処理が該当します。

問51 データ転送における暗号化技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
公開かぎ暗号方式による秘匿した通信を行うには、文章を復号するためのかぎの配送が必要になる。
データを暗号化して通信することによって、データの破壊と喪失を防止できる。
電子決済や電子マネーでの認証に使われるディジタル署名には、通常は公開かぎ暗号方式が用いられる。
不特定多数の相手とデータを交換するときには、共通かぎ暗号方式が適している。
解答
解説 公開鍵は復号するための鍵ではなく、暗号化するための鍵(公開鍵)を配送します。暗号化は文章の秘匿性を守るのが目的であり、データそのものの破壊や喪失には対応できません。不特定多数の相手との通信を行うときに共通かぎを用いると膨大な量のかぎの管理が必要となるので、公開鍵の方が適しているといえます。

問52 ある認証局(CA)が発行した証明書をもつA氏が、B商店に対して電子メールを使って商品の注文を行う際に、A氏は自分の秘密かぎを用いて電子署名を行い、B商店はA氏の公開かぎを用いて署名を確認する。この手法によって確認できることはどれか。ここで、A氏の秘密かぎはA氏だけが使用できるものとする。
A氏からB商店に送られた注文の内容は、第三者に漏れない。
A氏から発信された注文は、B商店に届く。
B商店に届いたものは、A氏からの注文である。
B商店は、A氏に商品を売ることの許可が得られる。
解答
解説 ディジタル署名は公開鍵暗号方式を応用したもので、署名をした人物(署名に使われた秘密鍵)が確実にその人物であるということを証明します。盗聴に対する対策はないので、第三者に漏れる可能性はあります。確実に届くかどうかは、分かりませんし、販売許可は全く関係ありません。

問53 コンピュータウイルスに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ウイルスの潜伏しているプログラムファイルがコンピュータ内に存在している場合であっても、コンピュータ利用者が意図的にファイルを起動しない限りほかのシステムに伝染しない。
ウイルスは、主記憶装置を物理的に破壊したり、コンピュータ利用者の意図しない動作を引き起こしたりする。
ウイルスを検出・駆除するためのエンジンや定義ファイルなどが、最新のものに更新されているコンピュータでは感染しない。
駆除作業では、ウイルスに感染しないOS起動ディスクを使用することによって、ブートセクタからの感染を回避することができる。
解答
解説 コンピュータウィルスは様々な経路から侵入し、ブートセクタ(起動時に読み出される部分)にも感染します。これを防ぐために、起動OSから読み出すことは効果があります。また、最新の定義ファイル(パターンファイル)であっても、新種のウィルスや亜種には対応しきれないのが現状です。コンピュータウィルスはあくまで悪意のあるソフトウェア(プログラム)なので、物理的な破壊は不可能です。

問54 パスワードを用いて利用者を認証する方法のうち、適切なものはどれか。
パスワードに対応する利用者のIDのハッシュ値を登録しておき、認証時に入力されたパスワードをハッシュ関数で変換して比較する。
パスワードに対応する利用者のIDのハッシュ値を登録しておき、認証時に入力された利用者IDをハッシュ関数で変換して比較する。
パスワードをハッシュ値に変換して登録しておき、認証時に入力されたパスワードをハッシュ関数で変換して比較する。
パスワードをハッシュ値に変換して登録しておき、認証時に入力された利用者IDをハッシュ関数で変換して比較する。
解答
解説 まず、IDやパスワードをそのまま登録しておき、必要に応じてハッシュ化するよりも、もともとハッシュ値にしておいて入力されたものを変換し比較する方がセキュリティとしてのレベルは高いといえます。ハッシュ化には元の値を復元できないという特性があるので、ハッシュ値からIDやパスワードを推察される恐れはほぼありません。

問55 通信データの盗聴を避けるのに適切な対策はどれか。
暗号化
ディジタル署名
ファイアウォール
メッセージ認証
解答
解説 盗聴は通信経路中のデータを違法に取り出す(キャプチャリング)行為です。盗聴の代表的な対策は暗号化です。データを取り出すこと自体を封じる手立てはハッキリ言ってありません。しかし、暗号化をしておけば取り出されたデータがどのようなデータなのかを分からなくすることができます。また、ディジタル署名はなりすましに有効な対策です。

問56 情報システムの災害時対応計画の策定における留意点はどれか。
火災や地震などの災害が発生した場合、要員はコンピュータへの被害の拡大防止を最優先して行動するよう計画する。
災害時対応計画はリスク分析の結果に基づいて策定し、組織体の長が承認する。
データのバックアップは、災害時対応計画の検討対象ではなく、日常の運用業務で計画する。
予測し難い事態を対象とするので、具体的な対策指示書の作成は避ける。
解答
解説 常識的に考えれば分かる問題だと思います。ただ一つ注意するのはコンピュータよりも人命の尊重の方が大切なので選択肢アは間違いです。

問57 ASCIIを説明したものはどれか。
ISOコードを基に日本の仮名文字を扱えるようにした符号である。
ISOで標準化された8ビットの情報交換用符号である。
世界中の文字の多くを、統一された符号で表現した2バイトの文字体系である。
米国規格協会が制定した7ビットの情報交換用符号である。
解答
解説 ASCII(American Standard Code for Information Interchange)コードは米国規格協会が策定したコードです。また、選択肢ウのunicodeも出題率が高いので押さえておいた方が良いでしょう

問58 小さな領域に多くの情報を詰め込むことができ、読取り時にコードの一部が読めなくてもデータを正しく読み出せるようなエラー訂正機能をもつコードはどれか。
2次元コード
ISBNコード
Unicode
全銀協コード
解答
解説 2次元バーコード(QRコード)は通常のバーコード(JANコード等)と比べて、どの方向からも読み出せる検出部があり、情報量も多くエラー訂正機能を含んだバーコードです。なお、ISBNコードとはInternational Standard Book Numberの略で、国際標準図書番号と略し書籍につけられるバーコードのことです。

問59 パンフレットやカタログに記述されている仕様の中で、単位表示の意味として、適切なものはどれか。
“6.4Gバイトの磁気ディスク”とは、6.4×10バイトの容量という意味である。
“600dpiのプリンタ”とは、600ドット/cmの印刷精度という意味である。
“CPUがベースクロック900MHzで動作する”とは、9.0×220Hzの周波数でどうさするという意味である。
“伝送速度が56kビット/秒のモデム”とは、最低伝送速度が5.6×210ビット/秒という意味である。
解答
解説 dpiはドットパーインチの略でcmではなく、インチが正しいです。900MHzは220ではなく、10が正しいです。選択肢エも210ではなく、10が正しいです転送することのできるデータの量なので、最低伝送速度という表現にも誤りがあります。

しかし、情報ではkやMを1000ではなく、1024で表現する場合も多く一概に選択肢アも完全に正しいと言い切れないと思われます。

問60 国際規格になっている静止画像の圧縮方式はどれか。
BMP
JPEG
MPEG
PCM
解答
解説 JPEGは不可逆圧縮(元のデータを完全に復元できない場合のある圧縮方法)で24ビット(俗に言うフルカラー)で記録をする国際標準です。BMPはWindowsが標準でサポートしている方式で、MPEGは動画の規格です。PCMは音声の変調方式の一種です。