平成18年度秋期 シスアド 問1−20 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問1 フラッシュメモリの特徴として、適切なものはどれか。
アクセスが高速なので、キャッシュメモリなどに使用される。
一度しか書き込めないので、プログラムメモリなどに使用される。
書換えができる記憶保持型のメモリなので、USBメモリやSDカードに使用される。
リフレッシュ処理が必要であるが何度でも書換えができるので、主記憶などに使用される。
解答
解説 最近は、持ち運びに便利なUSBフラッシュメモリが良く流通しています。フラッシュメモリは、何度でも書き換えが可能なメモリです。リフレッシュが必要なのは、DRAMというメモリです。

問2 CPUの1次キャッシュメモリ及び2次キャッシュメモリ(以下、1次、2次と略す)の説明のうち、適切なものはどれか。
1次と2次は、アクセス速度による分類であり、高度なものを1次、低速なものを2次という。
1次は磁気ディスクとCPU間のデータ転送速度を高速化するためのメモリであり、2次はビデオボードの描画を高速化するためのメモリである。
1次はメモリアクセスを高速化するためのメモリであり、2次は主記憶の容量を見かけ上増やすためのメモリである。
CPUから最初にアクセスされるものを1次、そこに必要な情報がない場合に次にアクセスされるものを2次と呼ぶ。
解答
解説 キャッシュメモリはCPUとメインメモリとのアクセス速度の差を埋めるために用いるもので、同じデータを読み出すときに利用されます。1次キャッシュと2次キャッシュの差は、CPU側に近いか、メインメモリ側に近いによります。まず1次にアクセスし、ない場合は2次にアクセスします。それでもない場合はメインメモリにアクセスします。

問3 記録面が2面の磁気ディスク装置において、1面あたりのトラック数が1,500で、各トラックの各セクタ数が表のとおりであるとき、この磁気ディスク装置の容量は約何Mバイトか。ここで、1セクタの長さは500バイト、1Mバイト=106バイトとする。

画像(問3)を表示できません
205
410
413
826
解答
解説 1つずつ順番に計算していきましょう。

@:セクタ0-699について、700×300×500=105Mバイト
A:セクタ700-1499について、800×300×500=100Mバイト
B:2面なので、(@+A)×2=410Mバイト

2面であることを見落とさないように注意しましょう

問4 磁気テープの特徴に関する記述として、適切なものはどれか。
体積が大きく運搬ができないので、保管や再利用には適していない。
大量のデータが記憶でき、安価であるので、磁気ディスクのバックアップなどによく利用される。
低速ではあるが、ランダムアクセスが可能である。
ビット当たりの価格は磁気ディスクより高価である。
解答
解説 磁気テープは、低速でシーケンシャルアクセス(順次アクセス)ではありますが、安価で大量のデータを保存できバックアップ用として用いられることが多いようです。

問5 USBハブの説明として、適切なものはどれか。
ハブ同士はクロスケーブルで接続する。
ハブの接続は、コンピュータの電源を入れる前に行う必要がある。
ハブを経由して、複数のコンピュータ同士を接続することができる。
ハブを利用して、外部機器をハブを含めて最大127台まで接続することができる。
解答
解説 USBハブはホットプラグに対応しているので、電源を入れた後で利用しても大丈夫です。USBはツリー状に127台の接続をすることができます。

問6 ハイパネーションに関する記述として、適切なものはどれか。
コンピュータ内に保存されたデータやプログラムを磁気ディスクなどの記憶媒体に依存する機能
コンピュータ内のシステム情報を特定のタイミングで抜き出して、メモリや磁気ディスクに格納する機能
コンピュータの電源を切る直前の作業状態を磁気ディスクに保存する機能
省電力モードに移行する直前の作業状態を主記憶に保存する機能
解答
解説 ハイバネーションは、コンピュータの電源を完全に切る前にデータを記事ディスクに保存する機能をいいます。一方サスペンドとは省電力モードに移行する状態をメインメモリに格納する(選択肢エ)の機能で、2つの違いは、格納する場所と、完全に電源を切るか省電力化の違いです。

問7 使用しているPCの応答時間が悪化してきたので調査したところ、磁気ディスクの入出力時間が増大してきたことが分かった。この状況を改善するためにユーティリティを導入し、シーク時間を減少させて効率よくアクセスできるようにしたい。このとき、ユーティリティが行うべき適切な処理はどれか。ここで、利用する磁気ディスクは1台とする。
大きなサイズのフィルを同一のディレクトリ(ファイル)に格納する。
各ファイルを磁気ディスクの複数の領域に分散する。
参照頻度の高いファイルを磁気ディスクの連続した領域に格納する。
参照頻度の高いファイルを同一のディレクトリ(フォルダ)に格納する。
解答
解説 いわゆる、最適化(デフラグメンテーション)の必要性を考える問題です。ファイルが断片化(フラグメンテーション)しているとシーク時間が大きくなり、アクセスに時間がかかります。よって、これを解消することでアクセス速度を向上させることができます。同一フォルダにデータを入れたとしても、ディスク上で連続領域に格納されているとは限りません。

問8 PCに接続した周辺機器をアプリケーションソフトから利用できるようにするために、OSと周辺機器を仲介する目的で周辺機器ごとに用意されるソフトウェアはどれか。
インストーラ
デバイスドライバ
デバイスマネージャ
フォーマット
解答
解説 周辺機器の制御にはデバイスドライバが必要です。プラグアンドプレイなどでは、このデバイスドライバが自動的にインストールされて即使えるようになっていますが、原則として、OSは周辺機器を使う際にこのデバイスドライバを仲介してデータ等を送受信します。なお、インストーラはインストールを補助するツールで、デバイスマネージャはパソコンの構成要素を管理するツール。フォーマットは初期化のことで、データをすべて消して新しく使うことを言います。

問9 記憶媒体の有効利用やバックアップ、配布などの効率化を目的として、複数のファイルを1つにまとめる処理はどれか。
アーカイブ
アロケート
パッチ
プロテクト
解答
解説 ファイルを1つにまとめることをアーカイブといい、まとめられたファイルのことをアーカイブといいます。身近な例でいえば圧縮ファイルなどがこれにあたります。なお、アロケートとは、ソフトウェアを使うためにメモリを確保することをいい、バッチはバグ等を修正するプログラムのことをいい、プロテクトは不正な使用方法からデータを保護することを言います。

問10 2,000kバイトのデータをファイルへ出力するとき、次の条件でデータを圧縮して出力する時間は、圧縮しない場合に比べてどうなるか。

[条件]
(1) ファイル出力に要する時間は1kバイト当たり10ミリ秒である。
(2) データの圧縮率は50%で、圧縮に要する処理時間は1kバイト当たり5ミリ秒である。
(3) 圧縮処理とファイル出力は並列動作しない。
20秒短くなる
10秒短くなる。
変わらない。
10秒短くなる。
解答
解説 2つの時間を計算してみましょう

圧縮前:転送時間=2000×10ms=20s
圧縮後:圧縮時間+転送時間=2000×5ms+1000×10ms=20s

となり、どちらも変わらないことが分かります。逆にいえば、時間を短縮させるには、もっと圧縮率を上げるか圧縮時間を短縮させる、圧縮と出力を並行させる等の処理が必要となることが分かります。

問11 2層構造と3層構造のクライアントサーバシステムを比較したとき、3層構造の特徴として、適切なものはどれか。
アプリケーションの開発とその保守作業の作業効率は悪くなる。
クライアントとサーバ間の通信量が増加しやすい。
データ処理ロジックを変更しても、クライアントモジュールへの影響を少なくできる。
利用するデータベースを三つの機能層に分割するので、性能が向上する。
解答
解説 まず、2層と3層の違いですが
2層:クライアント−サーバ
3層:プレゼンテーション層(クライアント)−アプリケーション層(サーバ)−データベース層(サーバ)

のように分けられます。これにより、データ側を変更しても、アプリケーション層が間にあるので、2層に比べてクライアント側の影響が少ないといえます。

問12 同一性能のプリンタが2台あり、プリンタの使用率を平均50%以下にしておくためには、最大何台のPCを接続できるか。ここで、PC1台当たりの印刷量は1時間に平均30ページであり、プリンタの印刷速度は、1分間に20ページとする。また、PCとプリンタ間のデータ転送時間や、プリンタ装置におけるオーバヘッドは考慮しないものとする。
15
20
30
40
解答
解説 2台で50%ということは、1台で100%と同じということになります。1台は1分間に20枚印刷できますから、1時間で、1200枚印刷できます。一方1台のPCからは、1時間当たり30枚送られてきますので、1200/30=40台接続できます。

問13 システムが単位時間内にジョブを処理する能力の評価尺度はどれか。
MIPS値
応答時間
スループット
ターンアラウンドタイム
解答
解説 どれも、単位時間当たりの性能を表す用語なので、以下にまとめます。

MIPS値:1秒間に何百万回命令を実行できるか
応答時間;システムにデータを入力してから結果が帰ってくるまでの時間
スループット:単位時間当たりの仕事(ジョブ)の処理量
ターンアラウンドタイム:データの入力から、システムが完全に結果をそろえるまでの時間

上の対応からも分かる通り応答時間はターンアラウンドタイムの中に含まれます。

問14 装置aとbのMTBFとMTTRが表のとおりであったとき、aとbを並列に接続したシステムの稼働率は幾らか。

画像(問14)を表示できません
0.72
0.80
0.85
0.90
解答
解説 まずは、個々に計算してみましょう。稼働率はMTBF/(MTBF+MTTR)で求めます。

装置a:80/(80+20)=0.8
装置b:180/(180+20)=0.9

これらが直列に接続されているので0.8×0.9=0.72となります。

問15 フェールセーフ設計の考え方として、適切なものはどれか。
安全で信頼できる部品だけを用いて、想定期間中に故障が発生しないようにする。
機器が故障したり人間が操作の間違いを犯したりしても、安全だけは確保する。
障害発生後に機能が低下するにしても、まずはシステムの運転を継続させる。
定期的な点検によって、機器の正常な機能を維持し、連続稼働時間を延ばす。
解答
解説 フェールトトレランス(耐故障性)技術に関するもので、以下にまとめます
フェールセーフ:安全側に停止できるようにシステムを止めること
フェールプルーフ:システムの性能を落としてでもシステムを持続させること
フォールトアボイダンス:故障そのものを起きないような設計をする。


問16 コンピュータがPBXなどと連携して、電話やファックスに対して自動応答したり、適切な着信者に振り分けたりする技術はどれか。
CTI
VoIP
VPN
ゲートキーパ
解答
解説 CTIは、コールセンター等に電話をしたときに、いきなり人間が出るのではなく、電信音でAの用件なら1番をBの用件なら2番を押してください・・・のような機能のことです。
VoIP(Voice over IP)とは、IP電話のように、IPネットワーク上で音声を利用する技術です。
VPNは一般回線を仮想的に自分の専用回線のようにする技術です。
ゲートキーパーは、異なるプロトコルのLANを接続するために用いるもので、OSI参照モデルでいうとアプリケーション層に該当するものです。

問17 現在広く利用されているIPv4に対し、IPv6の導入によって可能になるものはどれか。
インターネットの急激な普及によって起きるIPアドレス不足の解消
電子メールアドレスやドメイン名での日本語使用
光ファイバによる一般家庭からのインターネット接続
複数のホストに同時にパケットを配送するマルチキャスト
解答
解説 IPv6の導入はIPアドレスの枯渇に対応するためのもので、32ビットから、128ビットに拡張したものです。また、IPv4からIPv6への互換は、先頭から0を詰めることで可能です。

問18 電子メールに関する記述のうち、適切なものはどれか。
MIMEは、電子メールで送信できるデータ形式として、テキストだけでなく、画像、音声などの形式も規定している。
クライアントからのメールサーバに電子メールを送信する場合は、POP3が使用される。
現在加入しているプロバイダでの電子メールアドレスをabc@xxx.yyy.ne.jpとすると、別のプロバイダに加入した時は“@”の左側のabcは使用できない。
電子メールアドレスは、DHCPによって管理されている。
解答
解説 現在は、電子メールのデータ形式をMIMEというもので利用しています。また、これにセキュリティを追加したS/MIMEも覚えておいた方がよいでしょう。なお、メールを送信するのはSMTPで、@より前の部分はユーザIDに相当するので別のプロバイダで同名のものが使われていない限り使用することができます。また、DHCPは動的にIP(プライベート)アドレスを割り振るときに使われるプロトコルです。

問19 データマイニングツールを説明したものはどれか。
検索効率を高めるために、大規模データベースの一部をあらかじめ用途に合わせて抽出し、データの要約化などの加工をしておくこと
大規模データベースから、統計や推論の手法を使って、意味のある情報を見つけだすこと
大規模データベースにおけるスタースキーマを実装するのに適した、索引ファイルを作成すること
大規模データベースにおけるメタデータを効率良く管理すること
解答
解説 データマイニングツールとデータウェアハウスは非常に出題傾向が高いのできちんと覚えておきましょう。以下にまとめます。

データマインングツール:大量のデータから相関関係を見つけ出す技術です。データウェアハウスのデータを使って行います。
データウェアハウス:意思決定を支援したり、データマイニングツール等で利用するための大量のデータが蓄積してあります

問20 次のような特徴をもつソフトウェアを何と呼ぶか。

(1) ブラウザなどのアプリケーションに組み込むことによって、アプリケーションの機能を拡張する。
(2) 個別にバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。
スクリプト
パッチ
プラグイン
マクロ
解答
解説 バッチとプラグインは細かい点で差がありますので、きちんと押さえておきましょう

バッチ:バグの修正などの目的で用いられるプログラム、基本的に削除はできない
プラグイン:機能を拡張するために用いられるプログラム、不要になれば削除することもできる

なお、スクリプトはスクリプト言語等に使われるプログラムです。マクロは小さなプログラムのことで、WordやExcelなどでも利用できます。またマクロを悪用した、マクロウィルスというものもあります。