平成20年度秋期 シスアド 問1−20 解答編





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シスアド

(初級システムアドミニストレータ試験)

解答と解説のページです。

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問1 フラッシュメモリに関する記述として、適切なものはどれか。
紫外線で全内容を消して書き直せるメモリである。
データを速く読み出せるので、キャッシュメモリとしてよく用いられる。
不揮発性メモリの一種であり、電気的に全部又は一部分を消して内容を書き直せるメモリである。
リフレッシュ動作が必要なメモリであり、主記憶に広く使われる。
解答
解説 最近は、持ち運びに便利なUSBフラッシュメモリが良く流通しています。フラッシュメモリは、何度でも書き換えが可能なメモリです。リフレッシュが必要なのは、DRAMというメモリです。また、紫外線によるデータの消去をするのはEPROMで、電気的にデータを消去するのはEEPROMです。EEPROMを改良したのがフラッシュメモリになります。

問2 使用しているPCの応答時間が悪化してきたので調査したところ、磁気ディスクの入出力時間が増大していることが分かった。この状況を改善するためにユーティリティを導入し、シーク時間を減少させて効率よくアクセスできるようにしたい。このとき、ユーティリティが行うべき適切な処理はどれか。ここで、利用する磁気ディスクは1台とする。
大きなサイズのファイルを同一のディレクトリ(フォルダ)に格納する。
各ファイルを磁気ディスクの複数の領域に分散する。
参照頻度の高いファイルを磁気ディスクの連続した領域に格納する。
参照頻度の高いファイルを同一のディレクトリ(フォルダ)に格納する。
解答
解説 いわゆる、最適化(デフラグメンテーション)の必要性を考える問題です。ファイルが断片化(フラグメンテーション)しているとシーク時間が大きくなり、アクセスに時間がかかります。よって、これを解消することでアクセス速度を向上させることができます。同一フォルダにデータを入れたとしても、ディスク上で連続領域に格納されているとは限りません。

問3 記録面が2面の磁気ディスク装置において、1面あたりのトラック数が1,500で、各トラックのセクタ数が表のとおりであるとするとき、この磁気ディスク装置の容量は約何Mバイトか。ここで、1セクタの長さは500バイト、1Mバイト=10バイトとする。

画像(問3)を表示できません
205
410
413
826
解答
解説 1つずつ順番に計算していきましょう。

@:セクタ0-699について、700×300×500=105Mバイト
A:セクタ700-1499について、800×300×500=100Mバイト
B:2面なので、(@+A)×2=410Mバイト

2面であることを見落とさないように注意しましょう

問4 光ディスクの特徴や用途の説明として、適切なものはどれか。
アクセスとデータ転送が比較的高速であり、仮想記憶を実現するために、大型汎用コンピュータからPCまで幅広く使用されている。
記憶内容保持のため一定時間間隔でリフレッシュ動作が必要である。
再生専用型、追記型及び書換え可能型があり、画像情報などの多量のデータを保存するのに使用される。
ランダムアクセスはできないが、記憶容量が大きいのでハードディスクのバックアップなどに使用される。
解答
解説 光ディスクとは主に、CDやDVD、Blu−rayなどが該当します。

問5 2Mバイトのビデオメモリを持もつPCで、24ビットのカラー情報(約1,670万色)を表示させる場合、表示可能な最大サイズ(水平方向画素数×垂直方向画素数)はどれか。
600×400
800×600
1,000×800
1,300×1,000
解答
解説 ビデオメモリの容量はカラー情報×水平方向画素数×垂直方向画素数で計算されます。1つずつ計算していきます。
3バイト(=24ビット)×600×400=720000=720KB<2MBで表示可能です。
3バイト×800×600=1440000=1.44MB<2MBで表示可能です。
3バイト×1000×800=2400000=2.4MB>2MBで表示不可能です。

よって、選択肢イまでが表示可能であるといえます。

問6 業務上、カーボン紙による2枚複写印刷が必要な場合、選択すべきプリンタはどれか。
インクジェットプリンタ
インパクトプリンタ
感熱式プリンタ
レーザプリンタ
解答
解説 カーボン紙とは、通常の紙の間に挟んで上の紙に記述すると、その圧力で下の紙にも転写できる感圧紙のことです。つまり、カーボン紙には圧力を加えなければならないので、インパクトプリンタのように打ち付けるタイプのプリンタが必要です。インクジェットやレーザでは圧力が弱いため、転写は難しいと考えられます。

問7 PCの冷却に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ケース背面に、排気ファンと吸気ファンを隣接して設置すると、冷却効果が向上する。
磁気ディスク装置では、装置内に外気を流通させてディスク面を冷却している。
ヒートシンクは、表面積に比べて体積が大きいほど冷却効果が高い。
ファンレスPCでは、自然対流や電子冷却などを利用して冷却を行う。
解答
解説 排気ファンと吸気ファンが隣接していると、逃がした空気を吸い込んでしまう可能性があります。、磁気ディスクは装置の中までは外気を入れることができず外部から冷やすのが一般的です。ヒートシンクは、表面積が大きくなるほど冷却率があがります。ファンレス(ファンがない)PCでは、自然の空気などを利用して冷却をします。適切に冷却をしない場合、故障や誤作動の原因となります。

問8 OSにおけるシェルの役割に関する記述として、適切なものはどれか。
アプリケーションでメニューからコマンドを選択したり、設定画面で項目を選択したりするといったマウス操作を、キーボードの操作で代行する。
複数の利用者が共通資源を同時にアクセスする場合に、セキュリティ管理や排他制御を効率的に行う。
よく使用するファイルやディレクトリへの参照情報を保持し、利用者が実際のパスを知らなくても利用できるようにする。
利用者が入力したコマンドを解釈し、対応する機能を実行するようにOSに指示する。
解答
解説 シェルとは、ユーザが入力したコマンドを解釈してOSの核であるカーネルに指示します。Linuxでは主に、このシェルを用いてプログラムを起動します。Windowsではコマンドプロンプトがこれに相当します。

問9 メモリリークが発生すると予想されるか又は発生した場合に、被害を少なくするために有効な方法として、適切なものはどれか。
定期的に仮想記憶で使用する磁気ディスクの媒体チェックを行う。
定期的にシステムを再起動する。
定期的にメモリダンプを採取する。
複数のアプリケーションを同時に起動する。
解答
解説 メモリリークとは、プログラマなどのミスにより、取得したメインメモリが開放されず、徐々に使用できるメモリ量が減っていく現象です。よって、ユーザサイドの対策としては、定期的にシステムを再起動してメモリを完全に開放することです。なお、ダンプとは、セグメンテーションエラーなどで発生するエラーファイルのことです。

問10 仮想記憶機能をもつサーバで新しいプログラムを追加して実行したところ、スワッピングが多発し、以前から動作しているプログラムの処理効率が低下した。解決策として、最も適切なものはどれか。
高速なCPUに変更する。
高速な主記憶装置に変更する。
磁気ディスク装置を増設し、補助記憶の容量を拡大する。
主記憶を増設する。
解答
解説 スワッピングとは、仮想記憶において実主記憶の間で行う入れ替えのことです。これが頻発すると処理が進まないという現象を引き起こします。よって、主記憶を増設することで、いうなれば入れ物の大きさが増えて、入れ替えをする回数が減り処理効率がもとにもどると考えられます。

問11 バックアップシステム構成におけるホットサイトに関する記述として、適切なものはどれか。
共同利用型のサイトを用意しておき、障害発生時に、バックアップしておいたデータやプログラムを搬入してシステムを復元し、業務を再開する。
待機系サイトとして稼動させておき、ネットワークを介して常時データやプログラムの更新を行い、障害発生時に速やかに業務を再開する。
予備のサイトにハードウェアを用意して、定期的にデータやプログラムを搬入して保管しておき、障害発生時にはこれら保管物を活用してシステムを復元し、業務を再開する。
予備のサイトをあらかじめ確保しておいて、障害発生時には必要なハードウェア、データやプログラムを搬入し、業務を再開する。
解答
解説 バックアップについての3つを整理(稼働率が高い順)します。

ホットサイト:遠隔地に稼働しているものとまったく同じ状態で待機系を稼働させておき、障害時にすぐに切り替える方式
ウォームサイト:ホットサイトとコールドサイトの中間で、稼働までには何らかの準備が必要であり、すぐに切り替えはできない方式
コールドサイト:稼働に必要最低限のものだけを準備しておくだけで、稼働までにはそれなりに時間がかかる方式

問12 営業所内のデータ集積処理は各営業所に設置されたコンピュータで実施し、企業全体のデータ集積処理は本社に設置されたコンピュータで実行するというように、処理を階層ごとに分散させる処理形態はどれか。
管理分散
危険分散
垂直分散
水平分散
解答
解説 負荷の分散には大きく分けて2つの方法があります。一つは、能力の高い上の階層で処理したものを、複数の下に段階的に分散させる垂直分散です。もう一つは、同レベルの上下関係のない同等な能力のコンピュータに分散させる水平分散です。

問13 待ち行列モデルの運用事例として、適切なものはどれか。
1回当たりの発注コスト、1個当たりの在庫維持コストなどを基に、在庫商品の発注量を決定する。
過去何年か分の売上データを時系列に並べ、推移状況を比較することによって、次年度の売上を予測する。
画像情報の密度、おおきさ、平均圧縮率、通信速度などを基に、必要な通信時間を計算する。
電話の平均受付回数、平均応答時間などを基に、問合せに対応するサービスデスクの要員数を決定する。
解答
解説 窓口の数、来訪者数、来訪者の間隔、サービスの時間などからどれくらいの時間がかかるかを割り出す手法を待ち行列理論と言います。特に窓口が一つの場合をM/M/1モデルといいます。

問14 一定の時間内にシステムによって処理される仕事量を表す用語はどれか。
アクセスタイム
オーバヘッド
スループット
ターンアラウンドタイム
解答
解説 各用語を以下にまとめます。
アクセスタイム:記憶装置からデータを取り出す時間
オーバヘッド:特定の作業をしたさいの余計にかかる時間
スループット:単位時間当たりの仕事の処理量
ターンアラウンドタイム:要求開始から結果の表示までの時間

問15 システムの信頼性指標に関する記述のうち、適切なものはどれか。ここで、MTTRはMTBFに対して無視できるほど小さいものとする。
MTBFが1/2になると稼働率は1/2になる。
MTBFが1/2になると故障発生率は1/2になる。
MTBFが2倍になると稼働率は1/2になる。
MTBFが2倍になると故障発生率は1/2になる。
解答
解説 MTBFは平均故障間隔、MTTRは平均故障時間のことです。この場合、MTTRは無視してよいといっているので、平均故障間隔が2倍になると、故障する間隔が2倍になる(=正常状態が2倍の時間)わけなので、故障発生率は半分になるといえます。

問16 信頼性工学において用いられるバスタブ曲線のY軸の指標はどれか。

画像(問16)を表示できません
故障率
信頼度
平均故障間隔
平均修理時間
解答
解説 製品の信頼性を調べるときに、縦軸に故障率、横軸に時間をとると、ちょうどバスタブのような形になることから名づけられました。これは、初期導入は故障が多く、徐々に安定し、最後は故障して終わるというものです。

問17 TCP/IPネットワークでDNSが果たす役割はどれか。
PCなどからのIPアドレス付与の要求に対し、サーバに登録してあるIPアドレスの中から使用されていないIPアドレスを割り当てる。
サーバのIPアドレスを意識せず、プログラムの名前を指定するだけでサーバのプログラムの呼出しを可能にする。
社内のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、インターネットへのアクセスを可能にする。
ドメイン名やホスト名などとIPアドレスとを対応付ける。
解答
解説 DNS(Domain Name System)サーバはいわゆるIPアドレスとドメイン名やホスト名の名前解決を行うサーバです。本来は192.168.11.1のようにIPアドレスでネットワーク上のリソースを指定するのですが、人間には分かりにくいためhttp://○○.ne.jpのように指定できるようにしてくれているのがこのサーバです。

問18 インターネットで用いられるMIMEの説明として、適切なものはどれか。
Web上でのハイパテキストの記述言語である。
インターネット上のクライアントとサーバとの間のハイパテキスト転送プロトコルである。
インターネット上の資源を一意に識別するアドレス記述方式である。
電子メールで音声や画像などのマルチメディア情報を取り扱えるようにする規格である。
解答
解説 MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)はアスキーコードしか使えない電子メールにおいて、さまざまな情報を取り扱えるようにした規格です。また、MIMEにセキュリティ機能を追加したS/MIMEというのも合わせて覚えておくとよいでしょう。なお、選択肢アはHTML、選択肢イはHTTP,選択肢ウはIPアドレスと考えられます。

問19 社外から“新種のコンピュータウイルス発生に関する注意”という題の電子メールが転送されてきた。発信者は知人ではなく内容の真偽は不明であるが、本文にはウイルスの特徴に続き、できるだけ多くの人にその電子メールを転送するようにという注意書きが付いている。この電子メールへの対応として、適切なものはどれか。
自分の知り合いに転送する。
社員全員に転送する。
どこにも転送しない。
発信者にウイルスの対策方法を問い合わせる電子メールを出す。
解答
解説 相手に多数の人間にメールを送らせようとするメールをチェーンメールといいます。(よく不幸の手紙の電子版といわれます。)発信者もこの内容に促されて送信したり、相手のアドレスなどを聞きだし悪用しようとする可能性などもあるので、無視をして、心配ならば国やIPAなどで調べるのが無難であるといえます。

問20 TCP/IPネットワーク上のWindowswを用いたプリントサーバにおいて、同一ドメインに接続した複数のPCから、プリントサーバ経由でドキュメントを印刷したい。プリントサーバに関する記述のうち、適切なものはどれか。
プリンタに対する印刷要求のキューは、プリントサーバではなくクライアントに置く必要がある。
プリンタのドライバソフトウェアは、管理者がプリントサーバではなくすべてのPCにあらかじめインストールしておく必要がある。
プリントサーバが共有資源であることをプリントサーバに定義しておく必要がある。
プリントサーバにはIPアドレスを設定する必要がない。
解答
解説 キューをクライアントに置くと、各クライアントが送りたいときに遅れてしまい、プリンタが制御できません。また、デバイスソフトウェア(デバイスドライバ)はサーバ状にインストールしておけば各クライアントからの要求に対応できます。最後に、サーバがIPアドレスをもっていないということは、ネットワーク上の場所を特定できないことになり、使用できません。プリントサーバに共有資源を定義しておくのは、初期設定の多くは外部からのアクセスにより印刷ができないようになっているからです。