平成20年度 春期 ソフトウェア開発技術者試験 問21−40 問題編




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ソフ開

(ソフトウェア開発技術者試験)

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問21 1画素当たり24ビットのカラー情報をビデオメモリに記憶する場合、横1,024画素、縦768画素の画面表示に必要なメモリ量は、約何Mバイトか。ここで、1Mバイトは106とする。
0.8
2.4
6.3
18.9

問22 ページング方式の仮想記憶において、あるプロセスが仮想アドレス空間全体に対応したページテーブルをもつ場合、ページテーブルに必要な領域の大きさを2xバイトで表すとすると、xを表す式はどれか。ここで、仮想アドレス空間の大きさは2Lバイト、ページサイズは2Nバイト、ページテーブルの各エントリの大きさは2Eバイトとし、その他の情報については考慮しないものとする。
L+N+E
L+N−E
L−N+E
L−N−E

問23 仮想記憶方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
LRUアルゴリズムは、使用後の経過時間が最長のページを置換対象とするページ置換アルゴリズムである。
アドレス変換をインデックス方式で行う場合は、主記憶に存在する全ページ分のページテーブルが必要になる。
ページフォールトが発生した場合は、ガーベジコレクションが必要である。
ページングが繰り返されるうちに多数の小さな空きメモリ領域が発生することを、フラグメンテーションという。

問24 イベントドリブンプリエンプション方式を用いたリアルタイムシステムのタスクA、B、Cそれぞれの処理時間と、イベントが発生してから応答するまでに許容される時間(許容応答時間)を表に示す。タスクの優先順位は、すべてのタスクが許容応答時間以内に応答できるように定めた。タスクA、B、Cが同時に実行可能状態になったとき、発生する状況はどれか。

画像(問24)を表示できません
タスクAが実行状態になり、タスクB、Cは実行可能状態のまま。
タスクAが実行状態になり、タスクB、Cは待ち状態になる。
タスクBが実行状態になり、タスクA、Cは実行可能状態のまま。
タスクCが実行状態になり、タスクA、Bは待ち状態になる。

問25 タスクが実行状態、実行可能状態、待ち状態のいずれかの状態をとるとき、実行状態のタスクがプリエンプションによってほかのタスクに実行を中断され、再び実行状態となるまでの状態の変化を示したものはどれか。
実行状態、実行可能状態、実行状態
実行状態、実行可能状態、待ち状態、実行状態
実行状態、待ち状態、実行可能状態、実行状態
実行状態、待ち状態、実行状態

問26 ファイル領域割当て方式のうち、連続したブロックにすき間なく格納する方式と比較したときの、ブロックをリンクで連結する方式の特徴として、適切なものはどれか。
ファイル作成時に必要なブロック数を割り当てるので、領域の拡張が難しい。
ファイルに対する直接アクセスの効率が良い。
ファイルの作成と削除を繰り返しても、ファイルに割り当てられない無駄な領域が発生しない。
ファイルは開始ブロック位置とブロック数で管理されるので、領域管理が容易である。

問27 入出力管理におけるバッファキャッシュ機能の記述として、適切なものはどれか。
一度アクセスしたデータブロックは再利用される可能性が高いので、入出力に利用したバッファをすぐには開放せずに、しばらく保持する。
仮想記憶に複数のバッファを用意してデータの参照と更新を行い、プログラム終了時に一括して磁気ディスクに書き込む。
頻繁に使用するファイルに高速にアクセスするために、主記憶の一部を仮想的な記憶媒体として割り当てる。
ファイルの読取りを高速に行うために、複数のバッファを用意して、連続ブロックの先読みを行う。

問28 3層クライアントサーバシステムのファンクション層で処理される二つの機能の組合せはどれか。
検索条件の入力、データ処理条件の組立て
検索条件の入力、データベースへのアクセス
データ処理条件の組立て、データの加工
データへのアクセス、データの加工

問29 NAS(Network Attached Storage)を導入する利点はどれか。
直接LANに接続し、異なるOSの複数のコンピュータでファイルを共有することができる。
データをブロック単位で共有し、高いスループットを実現することができる。
ネットワークへの負荷を軽減し、ファイバチャネルを介した高速なデータ送受信を行うことができる。
汎用サーバに構築されたファイルシステムを共有し、ファイル利用の自由度を高めることができる。

問30 グリッドコンピューティングの利用形態に関する記述のうち、適切なものはどれか。
多数のPCやサーバで集めたデータを、中央のサーバに送って集中処理する。
多数のPCやサーバに分散して格納されているデータのバックアップを、中央のサーバに取得する。
中央のサーバで、処理を並列処理可能な単位に分割し、それらを多数のPCやサーバで並列処理する。
中央のサーバに集中して格納されているデータを、多数のPCやサーバで共有する。

問31 コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは、伝票データをためる待ち行列をもち、M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間がT秒以上となるのは、処理装置の利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで、伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。

・伝票データは、ポアソン分布に従って発生する。
・伝票データのたまる数に制限はない。
・1件の伝票データの処理時間は、平均T秒の指数分布に従う。
33
50
67
80

問32 1台のCPUの性能を1とするとき、そのCPUをn台用いたマルチプロセッサの性能Pが

画像(問32)を表示できません


で表されるとする。ここで、aはオーバヘッドを表す定数である。例えば、a=0.1、n=4とすると、P≒3なので、4台のCPUからなるマルチプロセッサの性能は約3倍になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり、nを幾ら大きくしてもある値以上には大きくならない。a=0.1の場合、その値は幾らか。
10
15
20

問33 図のように、1台のサーバ、3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて、サーバにあるデータをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるならば、このシステムの稼働率を表す計算式はどれか。ここで、クライアントは3台のうち1台でも稼動していれば正常とみなし、プリンタは2台のうちどちらかが稼動していれば正常とみなす。

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ab32
a(1−b3)(1−c2
a(1−b)3(1−c)2
a(1−(1−b)3)(1−(1−c)2

問34 システムに異常が起きた際の対応方法に“フェールセーフ”と“フェールソフト”がある。“フェールソフト”として適切な動作はどれか。
警告を出し、処理続行の判断をオペレータに任せる。
システムのサービスを順次、安全に停止する。
性能が低下しても、処理を継続する。
データや装置を損なうことなく運転を停止する。

問35 コンピュータシステムのライフサイクルを故障の面から、偶発故障期、初期故障期、磨耗故障期の三つの期間に分割するとき、適切な記述はどれか。
偶発故障期に不良品が十分除去されていれば、磨耗故障期では、まれにしか故障が発生しない安定した時期が迎えられる。
時間とともに初期故障は増大するので、できるだけ初期故障期を短く済ませて、早く偶発故障期を迎えることが重要である。
システムの故障率が増大する初期故障期と減少する磨耗故障期の繰返しの後に、一定の故障が発生する安定的な偶発故障期を迎える。
システムを故障ないし長い時間動かすためには、偶発故障期に定期点検で部品を交換することによって、磨耗故障期を迎える時期を遅れさせることが重要である。

問36 再入可能(リエントラント)プログラムに関する記述のうち、適切なものはどれか。
再入可能プログラムは、局所変数をタスク単位に格納しなければならない。
再入可能プログラムは、逐次再使用可能プログラムから読み出すことはできない。
実行途中で待ち状態が発生するプログラムは、再入可能ではない。
逐次再使用可能なプログラムは、再入可能プログラムでもある。

問37 あるコンピュータ上で、異なる命令形式のコンピュータで実行できる目的プログラムを作成する言語プログラムはどれか。
エミュレータ
クロスコンパイラ
最適化コンパイラ
プログラムジェネレータ

問38 OSS(Open Source Software)を利用する上での留意点のうち、適切なものはどれか。
OSS開発者にはソフトウェアの品質を保証する責任があるので、OSSの不具合が原因で障害が発生したとき、利用者はOSS開発者に対して損害賠償を請求することができる。
OSSの利用分野を経理システムなどに限定することによって、OSS又はOSS関連のソフトウェアを、ソースコードは非公開にして提供することができる。
OSSを商用ソフトウェアに組み込んだ場合には、ライセンスによっては商用ソフトウェアのソースコードを公開することが求められる。
OSSを変更して新しいOSSを提供する場合は、ライセンス条件にかかわらず新しいOSSの開発者が自分の判断でソースコードを非公開にすることができる。

問39 サーバでの実行を前提とした、オブジェクト指向開発によるコンポーネントソフトウェアの仕様はどれか。
EAI(Enterprise Application Integration)
EJB(Enterprise JavaBeans)
ERP(Enterprise Resource Planning)
UML(Unified Modeling Language)

問40 ソフトウェア開発組織の活動状態のうち、プロセス成熟度モデルにおけるプロセス成熟度が最も高いものはどれか。
実績が定量的に把握されており、プロセスが組織的に管理されている。
スケジュールと予算は、統計的に容認できる範囲内に収まっている。
プロセスが明文化されて、組織内のすべての人がそれを利用している。
プロセスそれ自体を改善していくための仕組みが機能している。